classification

令和4年度受賞者団体概要

(都道府県別・五十音順)
団体名

所在地

取組概要

株式会社 幸呼来(さっこら)Japan

岩手県 盛岡市

裂き織(古布を活用した手織物)の商品づくりを通して環境対応と障がい者の雇用を創出。伝統文化と技術を伝承するワークショップにも取組み、裂き織の産地化を目指して活動している。

有限会社 三陸とれたて市場(いちば)

岩手県 大船渡市

新しい凍結技術を導入した先駆的な水産加工事業モデルを展開。卸売業者との協働で国内飲食業者に加え、輸出での拡販を進めている。

特定非営利活動法人 体験村・たのはたネットワーク

岩手県下閉伊郡 田野畑村

地域住民と来訪者の交流を通じて、地域を元気にするための様々な自然体験プログラムを提供。漁船体験プログラムを通して継続的に震災伝承活動に取り組んでいる。

NPO法人 みやっこベース

岩手県 宮古市

震災後に地元のために活動する高校生ボランティア等の活動の場づくりとして、コミュニティスペースの運営、高校生等向けの地元修学旅行や市内企業の新入社員同士の交流事業に取り組んでいる。

アンデックス 株式会社

宮城県 仙台市

iPhone/Androidのアプリ制作をはじめ、Webサイト制作、システム開発など、幅広く事業を手掛けるIT企業。「水産×IT」に注力し、漁業の安定化と水産業の活性化に取り組んでいる。

株式会社 木の屋石巻水産

宮城県 石巻市

三陸の豊富な海の幸に支えられ、日本でも有数の漁業・水産加工業の盛んな港町・石巻で水揚げされる新鮮な魚を使用して缶詰や加工品を製造していたが、津波により本社工場が全壊。製造拠点の分割と新しい販売方法などで生業を再生。

一般社団法人 南三陸町観光協会

宮城県本吉郡 南三陸町

津波により街並みが一変した南三陸町で、防災・震災学習プログラムを観光メニューの一部として取り入れ、誘客と地域物産品の宣伝など地域振興に取り組んでいる。若手ガイド育成やオンラインを活用した観光プログラムも造成。

一般社団法人 オムスビ

福島県 南相馬市

「地域の経営資源を高め、まちを豊かに」をミッションに掲げ、地域内のコミュニティ拠点の提供や人材育成事業、デジタルマーケティング支援を実施し、地域の課題解決に取組んでいる。

株式会社 Smile farm

福島県伊達郡 川俣町

土ではなく古着をリサイクルした「ポリエステル媒地」を活用する新しい農法により熱帯植物のアンスリウム生産を軌道に乗せた。クラウドファンディングを活用してイチゴの栽培も開始し、観光農園による関係人口拡大と若者の新規就農にも取り組んでいる。

一般社団法人 ならはみらい

福島県双葉郡 楢葉町

楢葉町の新たな賑わいを生み出す拠点として「笑ふるタウンならは」を運営し、地域コミュニティの再生と情報発信に取り組んでいる。避難指示解除区域の復興に向け、空き地・空き家バンクの運営や語り部と連携した震災伝承活動も行っている。

団体名

株式会社 幸呼来Japan

所在地

岩手県 盛岡市

住宅リフォーム会社で運営していた裂き織事業が震災の影響を受けて閉鎖され、それまで誇りを持って働いていた障がい者の雇用を守るために起業を決意。『盛岡さんさ踊り』で使われる、「幸せは呼ぶとやって来るよ」という意味のかけ声である「サッコラ~、チョイワヤッセ」から社名を取り、2011年に障がい者の裂き織技術を活かした雇用の場として『株式会社幸呼来(さっこら)Japan』を設立。

地域のお祭りで使われた浴衣(古布)などを活用した裂き織商品を地元の障がい者などが手づくりすることで、環境にやさしいモノづくりを進めている。手づくりの価値を差別化することで様々な需要に対応し、生産量を伸ばしている。

「裂き織」技術を昇華させた「さっこらproject」は企業残反を活用。伝統技術・環境対応、障がい者雇用の観点から取組が評価され、2018年グッドデザイン賞を受賞。「オニツカタイガー」「ANREALAGE」「中川政七商店」をはじめとする数々の有名ブランドと取引する裂き織メーカーへ成長した。

  • 【住所】 岩手県盛岡市安倍館町19-41
  • 【電話】 019-681-9166
  • 【メール】 info@saccora-japan.com

団体名

有限会社 三陸とれたて市場

所在地

岩手県 大船渡市

震災以前に、漁業の衰退は産地の認知不足による消費低迷と捉え、ネットワーク網を開発・整備することで三陸漁場の認知PRを成功させた。しかし、魚を取り寄せても調理が出来ない、送料がもったいないのでまとめて頼んでも食べ切れないといった消費者の本質的な課題に直面。

震災による自社生産設備の全流出を受け、これから先の持続可能な産地構造を確立すべく、新しい凍結技術を導入した先駆的な水産加工の分野に進出。

割烹グレードの水産物を凍結して提供するために8年にわたる試行錯誤の末に、漁獲段階まで遡り、各魚種に最適な手当と加工パターンを確立する製法にたどり着いた。魚が本来持っているバリア機能を刺身処理後に再構築し、刺身を外界から守る特殊なパッケージも独自に開発、150種を超える地魚を便利に確実に提供することで海外市場への拡販も進めている。

  • 【住所】 岩手県大船渡市三陸町越喜来字杉下75-8
  • 【電話】 0192-44-3486
  • 【メール】 info@sanrikutoretate.com

団体名

特定非営利活動法人 体験村・たのはたネットワーク

所在地

岩手県下閉伊郡 田野畑村

「日本一の海岸美」とも称される田野畑村北山崎などの景観、漁業や酪農を中心とした地場の一次産業、地域の歴史・文化、さらにこの土地で暮らしを営む住民との融合による体験型観光の推進を目的として活動を開始。

域課題である過疎化に対して、観光による交流人口の拡大を通じ、地域活性化に取り組む。震災後も多くの来訪者を呼び込むためにベテラン漁師が操縦するサッパ船で断崖景観を間近に見られるプログラムを再開。大津波の語り部が3.11に体験した恐怖や人と人のつながり・絆を伝える震災伝承活動に取組み続けている。

また、番屋での塩づくりや漁師のお母さんの指導による料理体験を通じて、地域住民も地域の魅力を再発見する機会を創出したり、より多くの住民が参画できるよう「農林漁家ホームステイ民泊」に取組むなど、多岐にわたる活動を実施している。

  • 【住所】 岩手県下閉伊郡田野畑村北山129-10 北山崎ビジターセンター
  • 【電話】 0194-37-1211
  • 【メール】 taiken-tanohata@car.ocn.ne.jp

団体名

NPO法人 みやっこベース

所在地

岩手県 宮古市

震災をきっかけに、宮古市の子ども・若者たちの中に「地元の復興の力になりたい」という気持ちが生まれ、高校生を中心とする地元の多くの若者によるボランティア活動が宮古市の復旧期を支えた。人口減少等の多様な課題解決に向け、若者の成長の場を地域社会と共に創り出し、若者が主体的に参画することができる地域社会の実現を目的として活動を開始。

高校生の話し合いの場「高校生サミット」、市内高校生や宮古市出身の大学生を対象とした「地元修学旅行」、小学生を対象とした社会体験イベント「みやっこタウン」などを通して、地域の一員として活動することに充実感を覚えつつ、地域への愛着を深め、同時に主体性等の非認知能力の向上につなげる活動を継続実施。

宮古市では、高校卒業後に進学・就職で市外へ転出し、これまで戻って来る若者は少なかったが、団体の設立から10年が経って、高校生サミット等の活動に参加した若者がUターンして公務員や地域おこし協力隊として様々な地域活性化に貢献して成果をあげている。

  • 【住所】 岩手県宮古市末広町8-24
  • 【電話】 0193-77-3809
  • 【メール】 office@miyakkobase.org

団体名

アンデックス 株式会社

所在地

宮城県 仙台市

震災後に傷ついた被災地が立ち直る一助になりたいという思いから、漁業へのIT活用を積極的に推進。宮城のカキとノリの養殖に焦点を当て、漁場をリアルタイムに監視する海洋環境可視化システムを提案。海上に設置されたブイから水温や出漁状況等のデータをクラウドに送信・蓄積する仕組みを活用して、従来の「勘と経験」の確度の検証や遠隔で漁場の状況を把握することで、作業の高効率化と安定化を実現。

当初、養殖業者の方々へのプレゼンテーションはあまり歓迎されず、それぞれが確立したやり方を変えることに苦労したが、若い人が目を向けてくれたことが突破口となり、現在は被災地にとどまらず全国の漁業者にも広まっている。

宮城の酒蔵との協業で、日本酒製造にIoTを活用することで作業の効率化、働き方改革、技術伝承を狙った実証実験にも取り組み、まだ開発途上ではあるが、次世代の担い手づくりにつながる取組も推進している。

  • 【住所】 宮城県仙台市青葉区大町1-3-2 仙台MDビル5階
  • 【電話】 022-397-7988
  • 【メール】 j.mishima@and-ex.co.jp

団体名

株式会社 木の屋石巻水産

所在地

宮城県 石巻市

津波により本社工場、製品在庫、さらには原料貯蔵用のタンクまで流失し、それまで培ってきたものを一瞬で失ったが、支援物資も十分に行き届かない中、瓦礫の下に埋まっていた自社の缶詰が避難所にいた被災者の元気を取り戻した。ボランティアの協力も得て発掘した金華さばの缶詰を「希望の缶詰」として全国に流通させたことを足掛かりとして、復興の道を歩み始めた。

BCPのために2013年に内陸部に新工場となる美里町工場を建設し、沿岸部と内陸部に製造拠点を分割し、地元資源を活かした新しい商品を多数開発した。

新工場には直売所を併設し、工場見学にも対応できる販促機能の充実を図ることで、テストマーケティングを実施して、流通以外の販路を切り拓いた。新型コロナウイルスの感染が拡大したときにはEC販売により急増する需要に対応し、さらに地元アイドルグループとコラボした缶詰セットの販売など、課題であった若年層の取り込みにも成功した。

  • 【住所】 本社工場:石巻市魚町1-11-4、美里町工場:宮城県遠田郡美里町二郷字南八丁2-2
  • 【電話】 本社工場:0225-98-8894、美里町工場:0229-29-9429
  • 【メール】 order@kinoya.co.jp

団体名

一般社団法人 南三陸町観光協会

所在地

宮城県本吉郡 南三陸町

南三陸町とその周辺地域の生活文化や産業経済の発展に寄与することを目的として観光によるまちづくりの中核を担う。観光客の誘致を促進するとともに、観光地・観光物産の紹介宣伝、観光施設の整備、関係者の資質向上を図ってきた。

震災後、ボランティアや復興事業に携わる人たちで町内の宿泊施設が埋まる、いわゆる震災特需が続いていた一方で、町の人口が減少していく課題に対して、外からの誘客と関係人口を増やすことで地域産業を支えている。

津波の記憶の風化防止として、個人向けの「まちあるき語り部」、団体向けの「語り部による学びのプログラム」を観光メニューに組み込んで、被災者の現状や復興に向けた歩み、教訓などを住民が語り部となって伝える活動を推進している。

また「東日本大震災の経験を共有し“自然とは、生きるとは”に思いを馳せ、語り合う場」として2022年10月にオープンした南三陸311メモリアルの施設運営も担っている。

  • 【住所】 宮城県本吉郡南三陸町志津川字五日町200-1
  • 【電話】 0226-47-2550
  • 【メール】 post@m-kankou.jp

団体名

一般社団法人 オムスビ

所在地

福島県 南相馬市

2014年に南相馬市に移住し、当時まだ避難区域であった小高区の可能性に惹かれ、同区内で活動を開始。仲間と共にキッチンカーでOdaka Micro Stand Bar(OMSB)を開業し、2017 年に一般社団法人として創業。地域コミュニティの形成と人材育成に重点を置いた持続可能なまちづくりを進めている。

店舗化したOMSBのカフェ事業をベースに、地域課題解決に向けて、県や市と連携した移住・関係人口推進事業や、ITを軸とした様々なサービスを提供しており、地元高校でのICT授業、地域の学生団体へのサポート、さらに、それらの取組で培ってきたITやマーケティング分野の経験を強みとして、県内企業のDX推進やデジタルマーケティング支援を行っている。

直近では地元の元寿司屋のリノベーションした新しいコワーキングスペースを立上げて、地域内外の人に利用される施設としてオープンした。

  • 【住所】 福島県南相馬市小高区東町1-67
  • 【電話】 0244-32-0914
  • 【メール】 omsb.handmade@gmail.com

団体名

株式会社 smile farm

所在地

福島県伊達郡 川俣町

 東日本大震災の2年後に前職で福島県に転勤となり、休日に農家の手伝いをする中で農業に魅せられ、脱サラ・移住を決意して2018年に川俣町で新規に就農した。避難指示解除後の営農再開が課題となっていた川俣町で、農産物に比べて、風評の影響を受けにくい花の栽培に着目し、南国の花アンスリウムの栽培を開始。

寒さに弱い南国の花の栽培を成功させるためにIoT管理の手法を導入して作業効率とコストを改善し、さらに認知度を上げるために県内外のイベント等にアンスリウムを持ち込んで花の素晴らしさと川俣町をPRして回った。

栽培が軌道に乗り始めるとほぼ同じ時期の2021年東京オリンピック・パラリンピックでは競技会場の周辺の装飾用にも採用されて、着実にブランド化が進んでいる。

夏秋イチゴの栽培も開始して、今後はアンスリウムに、イチゴ、ブルーベリー狩りが同時に体験できる観光農園の開園を計画。若者の働き場所を創出することで新規就農にも取り組んでいる。

  • 【住所】 福島県伊達郡川俣町山木屋向東山5-9
  • 【電話】 070-4084-2799
  • 【メール】 goki0824@outlook.jp

団体名

一般社団法人 ならはみらい

所在地

福島県双葉郡 楢葉町

楢葉町は、原子力災害と長期避難により多くのものを失った。「町民が主体となったまちづくり」を掲げ、「きずな・安心・活力」を取り戻すという理念の下、真の復興を実現するまちづくり団体を目指して若い職員や町内外の関係者と共に様々な課題に取組んで来た。

空き地・空き家バンク事業や、スマートコミュニティ事業、町民活動サポート事業、ならはふるさと案内人、楢葉町活性化協議会等の事業を推進して、「きずな・安心・活力」から誇りを取り戻す取組を具体化。町民が安心して暮らせる生活基盤の再建と安定を図るとともに、ならはふるさと案内人事業では語り部による震災伝承も行っている。

指定管理事業として、町の中心部に位置するコンパクトタウン「笑ふるタウンならは」内にある公設の複合商業施設「ここなら笑店街」、交流施設「みんなの交流館ならはCANvas」を運営し、楢葉町全体の賑わいを創出している。

  • 【住所】 福島県双葉郡楢葉町大字北田字中満260(みんなの交流館ならはCANvas内)
  • 【電話】 0240-23-6771
  • 【メール】 info@narahamirai.com