優良提案紹介

優良提案のご紹介

事務局による1次審査(書類審査)、外部有識者により構成する審査員2次審査(オンラインプレゼンテーション)を経て決定した優良提案をご紹介します。

「新しい東北」ビジネス創業支援事業2021
優良提案

事業名

一粒のくるみから東北の復興へ
~埋もれた資源和ぐるみを余すところなく活用した新たな産業づくり~

【優良提案者】

一般社団法人 SAVE IWATE/岩手県盛岡市

【事業概要】

  • 岩手県及び東北の地域資源である和ぐるみ(オニグルミ)の栽培、収集、加工及び販売等を通じて、被災者の雇用、新たな産業づくりに貢献する取組です。
  • 和ぐるみの「実」「殻」「樹皮」「木材」を余すところなく活用し、ソフトクリームなど和ぐるみを使用した食品、「くるみかご」といった工芸品の企画から販売まで一貫して手掛け、さらなる取組の発展を目指しています。

【これまでの取組み】

  • 2011 年夏、東日本大震災の被災者の雇用確保が課題となるなか、盛岡の復興支援団体 SAVE IWATE は、岩手に根付く多彩な和ぐるみの食文化、和ぐるみの地域資源としての可能性に着目しました。
  • 和ぐるみは輸入くるみと比べ味が格段に良く、栄養価にも優れた食材です。また、殻や枝・樹皮を含めて、様々な商品へと加工することが可能です。東北地方では和ぐるみの木が豊富に分布していますが、安価な輸入くるみに押され、ほとんど流通・活用されていませんでした。
  • SAVE IWATE は、和ぐるみを余すところなく活用して、多彩な商品の企画、製造、販売に取組むとともに、一連の事業において被災者を積極的に雇用し、東北の復興に尽力してきました。
  • 和ぐるみを活かした商品は、飲食店・土産品店などへ卸しているほか、盛岡市役所1階の常設店舗「りあすぱーく」や自社ECでも販売しています。このほか、3,500本のくるみの木の栽培や、和ぐるみの魅力を伝えながら防災について考える機会を提供するワークショップなどの活動も幅広く実施してきました。

和ぐるみの多彩な活用

活動の様子(左:常設店舗「りあすぱーく」 右:くるみの栽培 )

事業構造(概要)

【今後の展望】

  • 和ぐるみの品種改良・増産、PR 活動、販路開拓、商品改良等を行い、最終的には東北全体として「和ぐるみ」の連携強化と産地形成を目指します。

【審査員コメント】

  • 岩手・東北ならではの地域資源である和ぐるみに着目し、被災者の仕事づくりに向けて10 年にわたり活動を続けてこられたことは素晴らしい。
  • 地域資源を余すことなく使い切りながら、地域に根差した食・生活文化を継承・発展させる発想と、栄養価に優れたくるみの活用は、世界的なトレンドにも合致している。
  • 今後もさらに活動を発展させ、「くるみの伝道師」として活躍されることを大いに期待したい。