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連携制度

連携支援制度

平成30年1月22日(月)に、認定NPO法人日本都市計画家協会が主催する「公開研究会 陸前高田市長洞(ながほら)地区の復興と支援」が開催されました。

認定NPO法人日本都市計画家協会の「公開研究会 陸前高田市長洞(ながほら)地区の復興と支援」が連携支援制度に採択されました。同イベントは、平成30年1月22日(月)に認定NPO法人日本都市計画家協会J'sプレイス(東京都千代田区)にて開催されました。

主催:
認定NPO法人日本都市計画家協会
参加団体:
復興まちづくり研究所、一般社団法人長洞元気村
開催日時:
平成30年1月22日(月)18:30~20:00
開催場所:
認定NPO法人日本都市計画家協会J'sプレイス
開催概要:
陸前高田市広田町長洞地区(世帯数60)では、被災から6年目の2017年4月に、高台移転先で最後の自力再建住宅が完成しました。被災住民主体の復興が節目を迎えた事を契機として、高齢者による起業、交流の場づくりなど、これまでの経験を振り返り、共有するため本研究会を開催しました。 講師は復興支援を継続してきたNPO法人復興まちづくり研究所の濱田代表理事、鳥山理事、さらに長洞地区での復興に携わる一般社団法人長洞元気村の戸羽貢氏、戸羽八重子氏、村上陽子氏の3名をゲストとして招きました。あいにくの大雪警報の中で参加者も限られましたが、被災住民・地域レベルでの生活復興について、活発な質疑応答が行われました。 復興まちづくり研究所の濱田氏、鳥山氏の報告では、「仮設市街地4原則」を主とする提言活動から、長洞地区との出会い、仮設住宅団地の建設、開村(長洞元気村)、村での起業活動などの具体的なお話を伺いました。どれも村人の方の意志を基本にし、深く関わることで一緒に作り上げている様子が分かりました。 その中でも、被災地域の近くにまとまって仮設住宅をつくり、生活する、ということが元気村活動のキーポイントであったとご報告いただきました。分散せずに集落を維持することにより、これまでのコミュニティを引き継いでいち早く次のステップに進むことができ、そのアドバンテージがその後の活動にも良い形でつながっているとの事でした。 復興には素早い対応も大事ですが、被災するまであったものを継続させ、暮らす人を置き去りにしないことが、その後のよりよい復興プロセスにつながることを学びました。 次に行われた質疑応答では「避難」と「活動」が主な話題となりました。 まず「避難」について、1人の犠牲者も出さず避難できた要因には、住民の助け合う共通の意識とリーダーの存在があると戸羽貢氏よりお聞きしました。 また、戸羽八重子氏からは、すべてを失った人たちのケアと地域の活性化をつなげた長洞集落の女性活動グループ「なでしこ会」についてのお話を伺いました。"楽しむ"ということが地域の活性化に重要であると講演されました。 村上陽子氏からは、「語り部」としてこれから伝えていきたいこととして「コミュニティを備える」こと、そして「生き抜くことを伝えたい」と主張され、被災地のどの地域でも共有できる価値を考える事ができました。
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陸前高田市長洞地区の復興は、東北沿岸部の半農半漁の集落再生の一つのモデルと思われます。防災教育のための児童・学生・社会人の受け入れを拡大するには、さらにプログラムを充実していく必要があります。 また、女性・高齢者の生きがいとなるビジネスを創造することを目指した「なでしこ工房」では保健所の許可を得て新たに惣菜づくりに取り組もうとしており、レシピ開発や販路拡大などの課題が検討されています。将来的に漁村レストランとして展開するためにはさまざまな努力が必要であり、適切なアドバイスやマネジメント支援が必須です。 7年に近い被災から復興にいたるプロセスは、東北被災地の多くの集落にはまだまだ知られていないのが現実です。長洞地区での成功例を住民目線で学び合うことにより、他の集落でも、俺たちもやるぞという勇気が生まれるきっかけになれたらよいと考えました。 今後は被災地内外からのツアーの機会を拡充していき、長洞地区へのツアー企画も支援活動の一環として行う予定です。 加えて、被災と復興に関わる経験を地域の記録として残し、末永く語り継ぐことは、被災者、自治体関係者、支援者にとっても貴重なアーカイブであり、このような記録活動をさらに各地域に普及・支援することが「新しい東北」を作り上げてゆく復興の一つであると改めて考えました。 復興まちづくり研究所(JSURPでは仮設市街地研究会)が昨年10月に出版した「実践・復興まちづくり 陸前高田・長洞元気村 復興の闘いと支援2011~2017」の様な、被災から復興までの詳細な記録作りを先行事例と捉え、今後も続けていきたいと思います。
 
【本件に関する問合せ先】
認定NPO法人日本都市計画家協会
担当:理事 江田 隆三
Tel:03-6273-7491
Mail:jimukyoku@jsurp.jp
URL:https://www.jsurp.jp/