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連携制度

連携支援制度

平成29年3月4日(土)~5日(日)に、宮城県多賀城高等学校が主催する「東日本大震災メモリアルday」が開催されました。

宮城県多賀城高等学校の「東日本大震災メモリアルday」が連携支援制度に採択されました。同イベントは、平成29年3月4日(土)~5日(日)に宮城県多賀城高等学校にて開催されました。

主催:
宮城県多賀城高等学校
開催日時:
平成29年3月4日(土)~5日(日)
開催場所:
宮城県多賀城高等学校
開催概要:
東日本大震災メモリアルdayは東日本大震災をはじめとした各地での震災の経験と教訓を後世に継承し、さらには国内・国外の防災・減災に貢献することを目的として実施したものです。当日は、防災や減災に取り組む全国の中学生や高校生が、自らの活動内容や課題研究の成果などを口頭及びポスターで発表しました。また、ワークショップを通して互いの考えを意見交換しました。1日目は、まず開会行事で宮城県教育長(鈴木洋教育監兼教育次長代読)及び武政功復興庁宮城復興局長からご挨拶をいただきました。続いて、東北大学災害科学国際研究所 佐藤健教授から「DRRの実現に向けて高校生に期待すること」の講演がありました。教授は、災害を数値化する自然科学的なアプローチ、地域を学ぶことが防災・減災につながるといった社会科学的なアプローチの説明をされたうえで、防災・減災には文理融合型のアプローチが必要であると話されました。続いて、北海道室蘭栄高等学校・青森県立八戸北高等学校・岩手県立釜石高等学校・福島県立磐城高等学校・福島県立ふたば未来学園高等学校・兵庫県立舞子高等学校・神戸大学附属中等教育学校・兵庫県立芦屋高等学校・新潟県立新潟県央工業高等学校・宮城県石巻西高等学校・多賀城市立東豊中学校・宮城県多賀城高等学校から、それぞれ防災に関する取組について、口頭発表がありました。
それぞれ防災に関する取組について、口頭発表それぞれ防災に関する取組について、口頭発表
次に、各校からのポスター発表がありました。口頭発表で興味の持った分野について、参加者がその詳細説明を受け、それに対しての質疑という形式で進められました。各学校で指導に当たっている教員から以下のようなアドバイスがありました。
北海道室蘭栄高等学校
神山教諭
互いの発表を知ることができ、妥当な形式であった。聞き手に評価用紙を配布し、気づいた点をフィードバックすると、自分たちの発表に活かせる。
青森県立八戸北高等学校
河門前教諭
口頭発表では体育館が遺体安置所になった石巻西高校の発表に心打たれた。笑顔の写真で作ったモザイクアートに希望を感じた。ポスターで大きな写真掲示があると良かった。
岩手県立釜石高等学校
髙橋教諭
防災・減災に関する思いや考えを共有する意味で各校生徒にとって良い刺激となり、新たな視点の吸収につながっている。多くの実践例を聞くことで、それぞれのリーダーとなって欲しい。
福島県立磐城高等学校
桑折教諭
東北地区だけではなく、全国規模で交流することで、災害学習が幅広く奥深いものであることを皆が知ることができた。報告内容の自由度が高かったことから、各学校の特徴が十分に出た発表であった。このような意見の交換は復興に向けた人材の育成、災害に備える人材の育成に不可欠な試みである。
福島県立ふたば未来学園高等学校
對馬教諭
各県、各地域で当事者でなければ忘れてしまいそうなことが、沢山あることを知り、それを伝承しようとする姿は立派である。「防災」という切り口で学び合うことで、文理共に重要な学問であり、どちらかに偏って学ぶのではない探究活動のあり方を考えることになったと思う。
兵庫県立舞子高等学校
小竹教諭
各校が特色ある取り組みをわかりやすく発表していた。災害に対する脆弱性の強化をソフト面、ハード面からアプローチしていることを学ぶことができた。口頭発表で質疑応答が出来ず、各自の考えを皆で共有することが難しくなってしまったので工夫が必要である。
新潟県立新潟県央工業高等学校
大倉教諭
生徒が普段感じていること、学んでいることを「生」の声で聞くことができたことは素晴らしかった。各学校の活動への講評を識者等からフィードバックすることで更なる前進が望める。
この後の交流会では「デートゲーム」という交流ゲームを通して、参加者が他校の生徒と情報交換を行いました。それまでの発表という堅い形ではなく、それぞれの学校の様子や、今取り組んでいることなどについて情報交換を行いました。2日目はワークショップに先立ち、東北大学災害科学国際研究所 今村文彦所長と東北学院大学教養学部 和田正春教授にご挨拶をいただきました。ワークショップは中学生、高校生の混合グループ編成とし、災害が起こる「もし24時間前に戻れたなら」というテーマで話し合いを行いました。
ワークショップワークショップ
前日の交流会の影響もあってか、活発な意見交換がなされました。生徒の防災・減災に関する意識の高さのためか、場面で起こりうる危険性やその予防方法についても細かなところまで意見が出されました。特に災害弱者と呼ばれる高齢者・身体障害者・妊婦などの避難について配慮が必要だとの話し合いがもたれました。仮設住宅・復興住宅についての課題、今後起こりうる災害にどのように備えていけば良いのかだけではなく、レジリエンス・復元・復興という観点を入れた備えが不可欠であり、これらを考えることが私たちの役割であるとの意見もありました。ワークショップのまとめとして宮城教育大学 野澤令照教授からコメントをいただきました。ワークショップでの視点の的確さを褒めていただき、さらには宮城県内で被害が少なかった事例や復興において良い取り組みをしている事例の紹介などがありました。地域コミュニケション力の向上や高校生、中学生が持っている力の活かしかたなどについても助言をいただきました。昼食後、県外からの参加者を対象に、多賀城高校生徒がガイドする被災地案内を行いました。バスの車窓から七ヶ浜町の国際村や仮設住宅、そして菖蒲田浜の防波堤などを見学しました。その後、イオン多賀城店で一校は下車し、iPadを用いた当時の映像、画像と合わせながら、波高標識を辿る「まち歩き」を行いました。「まち歩き」では被災直後の様子、七ヶ浜町の復興途中の様子や生活環境の変化、多賀城市の復興までの過程や復興住宅の話などについても考える内容となっていました。ゴールの多賀城駅では皆で別れを惜しみ、来年度の再会を誓って解散となりました。
参加者参加者
今回のワークショップでは、東日本大震災の被災地としての経験と教訓を共有できただけでなく、国内各地特有の災害の実際や防災活動の様子を知り、災害に関する知識を新たな視点から深めることが出来ました。それらを今後の学習活動に活かすことが、復興・創生に貢献していくことだと考えています。来年度以降も今回のような活動の場を設定し、継続することが必要だと考えております。
 
【本件に関する問合せ先】
多賀城高等学校
担当:教頭 佐々木 克敬
Tel:022-366-1225
Mail:chief@tagajo-hs.myswan.ne.jp
URL:http://www.tagajo-hs.myswan.ne.jp/