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連携制度

連携支援制度

平成28年12月1日(木)に、宮城県多賀城高等学校が主催する特別授業「日本の服飾文化とリユースの実際」が開催されました。

宮城県多賀城高等学校が主催する特別授業「日本の服飾文化とリユースの実際」が連携支援制度に採択されました。本授業は、株式会社WATALIS/一般社団法人WATALISとの連携の下、平成28年12月1日に開催されました。

主催:
宮城県多賀城高等学校
開催日時:
平成28年12月1日(木)
開催場所:
宮城県多賀城高等学校
開催概要:
宮城県多賀城高等学校の防災教育の一環として、震災から復興を総合的に考える特別授業を1年生81名を対象に実施しました。具体的には、株式会社WATALIS/一般社団法人WATALISさんから活動内容を話していただくと共に、古来行われてきた着物文化の製法技術をリユースの観点から紹介して頂いたうえで、簡単な実習を行いました。初めに株式会社WATALIS代表取締役/一般社団法人WATALIS代表理事の引地恵さんから、亘理町で、高齢化や過疎化、文化伝承の機会の喪失、被災地コミュニティの損失、女性の就業場所の少なさ等の地域課題が浮き彫りとなったことが、起業のきっかけとなったなどの話がありました。また、震災前に亘理町職員として町の文化や歴史を調査する過程でその魅力に気づいたこと、特に端切れ等を用いた「ふぐろ」に一升の米を入れ、お礼として感謝の気持ちを表す文化に興味を持ったという話をして頂きました。貴重な服地に貴重な食料を入れ、さらに無形の感謝の気持ちを入れる文化の奥深さと素晴らしさを再認識したことが、現在の活動の原点であることを伺いました。この「ふぐろ」は単に3R活動にとどまらず、使われなくなったものに付加価値をつけ新たな製品として再活用する「アップサイクル(upcycle)」文化の一形態となっており、地域振興に役立っていることが紹介されました。
震災から復興を総合的に考える特別授業震災から復興を総合的に考える特別授業震災から復興を総合的に考える特別授業震災から復興を総合的に考える特別授業
続いて、端切れを用いたキーホルダー作成の実習を行いました。初めに株式会社WATALIS取締役/一般社団法人WATALIS理事の橋元あゆみさんから「きもの」の端切れについての紹介と、文様に込められた意味の説明がありました。その後、実際に端切れを用いて工程毎に説明をいただきながら作業を行いました。
端切れを用いたキーホルダー作成の実習端切れを用いたキーホルダー作成の実習端切れを用いたキーホルダー作成の実習端切れを用いたキーホルダー作成の実習
最後にまとめとして再び引地さんから、今後復興の担い手となる高校生に対して、現在の担い手として地域課題解決に取り組んでいる様子を話して頂きました。復興のためには多種多様な課題を解決しなければいけない状況となったことや、その解決のための工夫点についての話がありました。高校生は感想を次のように表しています。
  • ・今回の話を聞き、一過性ではない継続した取り組みが本当の復興になることを学びました。
  • ・前向きな気持ちを前に出すことで、いろいろな繋がりができ、仲間ができていくことを学んだ気がします。地元の文化を大切にしていくことは、人との繋がりを大切にしていくことだと思いました。
  • ・現代では、衣装が簡単に手に入るが、昔は和服がどれほど大切に扱われてきたか、またそこに込められた思いがどのようなものであるのかを知ることができた。アップサイクルとは、この和服の魅力を再評価する試みだと思いました。自分も課題を発見していろいろなことに取り組んで行きたいです。
今回の授業には復興の観点に加え、服飾文化の観点、3Rなどの循環型社会の観点、女性の自立の観点、企業家教育の観点などの観点を盛り込みました。一つ一つの知識を学習することも大切ですが、複数の観点を取り入れることで、横断的な学習や課題解決型の学習につなげることができました。さらに、ワークショップを加えたことでどのような商品を作っているのか、その商品価値や手間暇についても理解できる大変貴重な体験となりました。今後もいろいろな連携形態をとりながら、高校生目線による復興への携わり方を模索していく予定です。
 
【本件に関する問合せ先】
多賀城高等学校
教頭 佐々木
Tel:022-366-1225
Mail:k-sasaki@tagajo-hs.myswan.ne.jp
URL:http://www.tagajo-hs.myswan.ne.jp/