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連携制度

連携セミナー制度

平成29年10月13日(金)に、特定非営利活動法人みらい東北が主催する「日台友好復興支援交流会」が開催されました。

特定非営利活動法人みらい東北の「日台友好復興支援交流会」が連携セミナー制度に採択されました。同交流会は、平成29年10月13日(金)に開催されました。

主催:
特定非営利活動法人みらい東北
参加団体:
南三陸ホテル観洋、公益社団法人日本綱引連盟、台湾歴史博物館
開催日時:
平成29年10月13日(金)14:00~17:30
開催場所:
台南市安南区 台湾歴史博物館
開催概要:
2011年の東日本大震災以来、復興支援活動に携わってきた特定非営利活動法人みらい東北は、被災地で観光業を営む南三陸ホテル観洋の副支配人である昆野守裕氏、メディアの立場から復旧、復興に貢献してきた石巻地域ジャーナリストである鈴木孝也氏と訪台し講演会を実施しました。講演は、互いに厚い支援関係にあるとともに、日本と台湾の震災史についての研究とその成果を特別展示していた台湾歴史博物館で行いました。 当日は王館長や館員に迎えて頂き、大変友好的な会となりました。博物館ではまず、陳館員より開催中の展示について熱心な説明を受けました。日本の台湾統治時代に起きた1923年の関東大震災、そして35年に起きた新竹―台中地震における官民の復旧・復興の歴史、その後の1999年台湾大地震、阪神・淡路大震災、東日本大震災、台湾南部地震で互いに支援を行ってきた歴史的経緯を伺いました。 そして、日本と台湾との文化のつながりについても説明がありました。例えば、わが国の、鰻が地震を起こすという伝説について、台湾の多民族の中でも龍が地震を引き起こすという伝説があり、その伝説が日本の伝説の起源になっているという見解は非常に興味深かったです。説明を伺うなかで何より互いの震災における、被害を受け、乗り越える姿勢について共通の意識を共有できることを深く感じることができました。 講演会では冒頭に、台湾歴史博物館館長王氏より震災展示、日本と台湾の震災史研究の報告、そして本日の東日本大震災被災地からの訪台講演会の趣旨の説明があり、続いて特定非営利活動法人みらい東北理事長の内藤より挨拶をしました。 昆野氏からは、震災にあたって台湾から受けたわが国、そして南三陸町への多大な支援に感謝の気持ちを表すとともに、南三陸町、南三陸ホテル観洋について説明がありました。そして震災発生から現在までホテル一丸になって復旧から復興に挑戦している様子についてお話がありました。 具体的には、緊急災害対応期にホテルとしての対応として、全館を避難民に解放し、企業と連携して給水能力の確保等住民の生命線の維持に大きく貢献したとのことでした。また、生命線の維持にとどまらず、教育体制の不足対応に力をいれ、避難児童の為に全国から図書の寄贈を受けて子供図書館を設置したり、ボランティアを積極的に受け入れて寺子屋塾を常設し児童の進学率の維持に大きな役割を果たしたりしたとのことでした。地域の基幹宿泊施設として可能な限り地域の復興に対する役割を果たす為、地元行政など社会資源はもちろん外部広域のファクターも柔軟に連携しあってきた様子が伝わってきました。
日台友好復興支援交流会日台友好復興支援交流会
講演の後半では震災の風化防止に取り組む必要性も訴えられました。ホテルとしては語り部ガイドの育成や震災遺構を含むガイドコースの設定や周知努力をしていることを話され、その中で最も訴えたいこととして「津波てんでんこ」の伝承を挙げられました。三陸沿岸に伝わる伝承の通り、まずわが身を守る、避難するか否かで命の分かれ目があったことを強く会場に訴えました。今回、発災から現在の復興期までの取組を紹介する中で、発災当時の経験について詳しく触れる時間があまりなく、会場からの質問でも「もっと聞きたい」という熱い要望もあったことから、次回はその体験を聞いていただく機会を是非つくりたいと主催者として感じました。 鈴木氏からは報道人としての立場から「災害とラジオ」という演題で講義いただきました。初めて講演を聞く聴衆にも分かりやすく、震災時、実際にどうラジオが機能し役立ったか、地域をリアルタイムにカバーするコミュニティラジオの大切さ、アナログであるけれども被災者の情報取集や連絡、伝達手段として大いに成果を挙げたことが具体的事例と共に報告されました。さらに、サイマル放送など、ラジオとSNSやネットを連携させたネットワーク構築の動きを報告されるとともに、今後の課題として行政や救援組織との緊密な情報共有・連携の必要性を指摘されました。そして最後に震災体験・記憶の風化防止についてメディアの果たさなければならない役割について会場に訴えて講演を締めくくられました。
日台友好復興支援交流会日台友好復興支援交流会
主催者である内藤からは、特定非営利活動法人みらい東北の発災直後からの復興支援活動と、今後の活動展開について話しました。初期の緊急救援活動としての物資や介護要員の補てんに始まり、沿岸部の灯りの不足の問題について再生可能な太陽光式街灯の寄贈設置に取り組んだことなど、他の団体では目の行き届きにくい細やかな、隠れたニーズについて状況に応じて対応してきたことを伝えました。そして活動を進める中で「心の復興」に取り組むことの重要性を痛感し、綱引大会など笑顔をテーマにしたイベントを開催してきたことを説明しました。 博物館側からも、当日の来場者の中からも当活動について大変興味を持っていただき、活動の目的や成果などに多数の質問が寄せられました。 今回、「災害を通したつながり」をテーマに、台湾歴史博物館や台南市政府の方々とも交流することができました。この絆をよりいっそう深めて今後の相互の文化や観光の交流に発展させる為にも次回は台湾の災害研究者を、日本に招へいしたいと考えています。そして、災害研究や学問上の交流、情報の交換の枠組みを超えて文化、観光の交流への発展へのきっかけになるような仕組みを考えていきたいです。 今回の講演会の実現にあたっては、公益社団法人日本綱引連盟、南三陸ホテル観洋、復興庁、「新しい東北」官民連携推進協議会の厚いご理解とご協力を得られました。また、日台経済交流協会、対日経済交流協会より博物館との調整や通訳・翻訳者の紹介など、親切丁寧なご助力をいただいたことに深く感謝しています。災害も含め、与えられた枠組みや困難を乗り越えるための成果を積み重ねてゆくことのできる喜びに大きな感謝を表したいと思います。
 
【本件に関する問合せ先】
特定非営利活動法人みらい東北
担当:内藤 秀夫
Tel:080-3543-6386
Mail:happy-life@wg8.so-net.ne.jp
URL:http://hikario.m3rd.jp/index.php