TOP >  協議会の活動 >  活動紹介 >  令和7年度「新しい東北」官民連携推進協議会では、岩手県において「あのときの私に伝えたいこと~震災の教訓を次世代へ」をテーマにフィールドワークを実施しました。震災当時の経験と教訓を次世代に伝えることを目的に、県内外の大学生が沿岸部で活動する若者を取材しました。

協議会の活動

活動紹介

令和7年度「新しい東北」官民連携推進協議会では、岩手県において「あのときの私に伝えたいこと~震災の教訓を次世代へ」をテーマにフィールドワークを実施しました。震災当時の経験と教訓を次世代に伝えることを目的に、県内外の大学生が沿岸部で活動する若者を取材しました。

 2025年11月2日(日)、県内外から20名の大学生が参加し、「田野畑・宮古」「釜石」「陸前高田・大船渡」の3コースに分かれて現地を訪問しました。
取材の最後には、各チームがまとめワークショップを行い、「震災の教訓をどう自分ごととして語り継ぐか」について意見を交わしました。

3コースの概要

田野畑・宮古コース
訪問先:パティスリーフィエルテ(髙橋氏)/ NPO法人みやっこベース(八島氏)
田野畑村の洋菓子店「パティスリーフィエルテ」では、地域の食材を生かし「地元の人に笑顔を届けたい」と語る髙橋氏を取材しました。
宮古市のNPO法人みやっこベースでは、高校生や若者が地域で主体的に活動する姿を取材し、「復興のバトンを受け継ぐ世代の責任」を実感しました。
学生たちは「震災を“過去の出来事”としてではなく、“今の地域の課題”として考える大切さを学んだ」「地域の人の前向きな姿に触れて、自分も将来は地元に関わりたいと思った」と語りました。

写真 写真

写真 写真


釜石コース
訪問先:いのちをつなぐ未来館(川崎氏)/ 釜石東部漁業協同組合 両石湾隆丸(久保氏)
「いのちをつなぐ未来館」では、防災教育や語り部活動の現場を体験しました。
川崎氏は「語り続けることが次の命を守ること」と語り、学生たちは被災の記録を風化させない思いに共鳴しました。
久保氏から「地域の海とともに生きる覚悟」を学びました。

写真 写真

写真 写真


学生たちは「被災の記憶がない世代として、現地で語られる“生の声”を聞くことが何よりの学びだった」と語りました。

陸前高田・大船渡コース
訪問先:マルカツ水産(佐々木氏)/ 大船渡市地域おこし協力隊(熊谷氏)
大船渡市のマルカツ水産では、津波と火災を乗り越え、被災を免れた塩蔵わかめを販売して地域支援を行った取組を学びました。
「できることをやる」という佐々木氏の言葉は、学生たちに「復興は特別なことではなく日々の営みの中にある」と気づかせてくれました。
地域おこし協力隊の熊谷氏は、スポーツや教育を通して地域と子どもたちをつなぐ活動を紹介しました。
学生たちは「自分たちにもできることがある。地域で生きる人の姿から勇気をもらった」「復興の歩みは今も続いていることを実感した」と語りました。

写真 写真

写真 写真


成果として、震災の体験と復興の歩みを“現場の声”から学ぶ実践型プログラムを確立できました。参加学生が感じた「今、私たちにできること」という視点を各チームで映像化し、今後の発表会で共有予定です。現地での交流を通じ、学生の多くが「将来は地域と関わる仕事をしたい」と語るなど、被災地との新たなつながりが生まれ、地域紙報道を通じて、被災地の若者の姿が広く紹介され、共感の輪が広がりました。

まとめ

震災を伝えることは、過去を語ることではなく、「生きる力」をつなぐこと、学生たちが現地で出会った人々の言葉と表情は、未来を担う世代に深く刻まれました。
「私たちは、あのときの“誰か”の願いの先に生きている」その思いを胸に、若者たちの伝承の旅はこれからも続いていきます。

一覧に戻る