「新しい東北」官民連携推進協議会では、今年度も、福島県を拠点とする協議会の副代表団体等(福島県、福島大学、東邦銀行、ふくしま連携復興センター及び復興庁)による意見交換会を実施しています。
意見交換会において、全国から参加する若者が、福島の人々との触れ合いを通して、福島への関心を深め、継続的に福島との繋がりを感じられる活動の場を提供し、福島を愛するメンバーが集う“ふるさと愛”プロジェクトの実施計画を進めてまいりました。
本年度の計画推進においては、令和5年度に開催した“ふるさと愛”プロジェクトの参加者を中心とした運営委員会を発足させ、本年度の参加者に福島県への関心を高めてもらい、福島県との“縁”を生み出すプログラムを企画しました。
2月17日(月)から19日(水)の3日間、全国から福島に興味を持つ学生20名が集い、「福島の過去と未来に出会う」をテーマに地元の人との交流やフィールドワークを通して福島の魅力に触れ、“ふるさと愛”について考えるプログラムの模様をレポートします。
<1日目:2月17日(月)>
【東日本大震災・原子力災害伝承館】
朝の集合地点からバスで移動し、「東日本大震災・原子力災害伝承館」を見学しました。
語り部講話では、横山
和佳奈さんにお話しをいただき、参加した学生たちは自分たちと年齢の近い横山さんの被災経験と、これからの地域に対する想いを熱心に聞いていました。
【震災遺構・浪江町立請戸小学校】
次に「震災遺構・浪江町立請戸小学校」を見学し、校舎に残る津波の脅威や、被災者の想いを知ると共に、多くの教訓を感じ取りました。
【「福島な人」ワールドカフェ交流会】
その後、Jヴィレッジに移動し、2日目のフィールドワークに協力いただく皆さまとの交流会を実施しました。
参加者はチームに分かれてテーブルを周り、それぞれの活動や事業のお話しを聞く中で、ふるさと「福島」に対する想いを感じ取り、活動や事業の拠点とされている地域を訪れてみたい、という気持ちを膨らませました。
<2日目:2月18日(火)>
【コースA】
小高・浪江・飯舘エリアを中心としたコースAでは、飯舘村にある菅野宗夫さんのご自宅からフィールドワークが始まりました。参加者たちは菅野さんの「復興とは、持続可能なコミュニティを作ること」というお話しに深く感銘を受けていました。
その後、図図倉庫さん〜株式会社ウッドコアさん〜OWB株式会社さんを訪問し、震災前後で変化した地域の方々の生活や、未来に向けたビジョンについて共有していただきました。参加者の中からは、地元で活躍されている方々を自分の今後のロールモデルにしたいという感想が挙がっていました。
【コースB】
双葉・大熊エリアを中心としたコースBは、大熊未来塾・木村紀夫さんのフィールドワークからスタートしました。木村さんのフィールドワークでは、帰還困難区域内で、津波の痕跡や原子力災害の影響がのこる場所を木村さんの語りと共に案内いただき、参加者たちに「未来を考える機会」を提供いただきました。午後に訪問した学び舎ゆめの森さんでは、南郷校長自ら学び舎の中を案内いただき、ゆめの森が目指すビジョン・バリュー・ミッションを参加者に説明いただきました。最後の訪問場所となったフタバスーパーゼルミルさんでは、若手社員の方から、工場進出のお話や自身の移住についてお話しいただきました。参加者からは、県外から復興のために来る人と、県内で復興を目指す人がお互いに協力していることを感じることができた、という感想が挙げられました。
【コースC】
富岡・楢葉・川内・広野エリアを中心としたコースCは、富岡町で秋元菜々美さんによるフィールドワークからスタートし、とみおかワインドメーヌさんや夜の森地区などを巡りながらお話しをいただきました。次に訪問したnaturadistill川内蒸留所さんでは、案内いただいた髙橋さんが福島に移住して生き生きと挑戦している姿に、若い世代がチャレンジできる土地柄に魅力を感じた、という感想や、BAUM
HOUSE YONOMORIの遠藤さん、YONOMORI
DENIMの小林さんが、震災後の避難や就職によって地元を離れることになりながら、地元に戻って街の活性化に取り組んでいる姿に感銘を受けた、といった感想が参加者から挙げられました。
<3日目:2月19日(水)>
【“ふるさと愛”プロジェクト体験発表会(ポスターセッション)】
最終日は、Jヴィレッジにおいて、
“ふるさと愛”プロジェクト体験発表会を開催しました。
1日目、2日目の訪問を通して感じた「これまでの福島」と「これからの福島」に対して感じたことや自身の想いを、コースごと、A1サイズのパネルとして制作、発表を行いました。
2日前まで、お互いを知らない者同士だった参加者たちが、共に過ごした時間の中で学び・感じ・考えたことを話し合ってまとめ上げる、お会いしてきた方々の取組・生活・想いを整理し共有しました。
完成したパネルは、Jヴィレッジエントランスロビーにて展示していただきました。(2025年3月下旬まで展示しています)
今回の“ふるさと愛”プロジェクトでは、これまでの福島とこれからの福島をテーマに、震災がポイントとなって変化した福島の今にスポットを当て、震災前からその地域で育まれていた生活、震災後の復興に向けたチャレンジや取組などを、訪問させていただいた皆さまから感じ取ることで、参加者が新たな福島の魅力を発見することができたプログラムになったものと考えております。
このレポートの最後に、今回の取組に参加いただいたみなさま、訪問地で参加者に対応を頂いた協力事業者のみなさまに、この場をお借りして深くお礼を申し上げます。
今後も福島県の魅力発信に繋がるよう、官民連携して取組を推進してまいります。