「新しい東北」官民連携推進協議会では、今年度も宮城県を拠点とする協議会の副代表団体等(宮城県、東北大学、七十七銀行、みやぎ連携復興センター及び復興庁)による意見交換会を実施しています。
意見交換会では、交流人口拡大に向けた観光振興に着目し、大阪・関西万博等によるインバウンドの増加、国内の観光誘客について議論され、その内容を踏まえて、本年度は宮城県内の観光コンテンツが訪日外国人にとってどのように魅力的かを検証するプログラム「STAND
OUT宮城」を企画、実施しました。
プログラム当日は、宮城県内在住の大学生が訪日外国人に向けてオススメしたい県内の観光コンテンツを選定、県内在住の外国人参加者とともに実際に現地を訪れ、多言語化への対応状況やコンテンツの魅力について検証・評価を行いました。
本稿では、12月21日(土)に【仙台・松島エリア】・【石巻・女川エリア】・【気仙沼・南三陸エリア】という3つのエリアの観光コンテンツを訪問し、評価を行った模様をレポートします。
<ガイド役学生
事前ミーティングの開催>
訪問・評価を行う観光コンテンツを設定するため、11月9日(土)に仙台駅周辺の会議室にて事前ミーティングを開催し、ガイド役学生として仙台市内の大学生8名が参加しました。
事前ミーティングでは、まず、仙台港周辺賑わい創出コンソーシアムより株式会社JTBコミュニケーションデザインの武宮透氏にご参加いただき、宮城県の観光および復興の軌跡に関する講話をいただきました。また、宮城県を訪れる訪日外国人旅行者の消費や動態などについて、専門的な視点からお話をいただきました。
その後、訪問する観光コンテンツや評価内容を検討するミーティングを実施。各エリアにおいて訪日外国人旅行者に訪れてほしい場所や、訪日外国人旅行者にとって魅力的なコンテンツか、などについて意見交換が行われた後、訪問先の候補地が絞り込まれました。
事前ミーティングで選定した候補地は、当日の移動や視察時間を考慮して以下に決定しました。
【仙台・松島エリア】
震災遺構
仙台市立荒浜小学校/せんだい3.11メモリアル交流館/松島おさかな市場/瑞巌寺/松島蒲鉾本舗・笹かまぼこ手焼き体験/仙台うみの杜水族館/2024
SENDAI光のページェント
【石巻・女川エリア】
石ノ森萬画館/石巻市震災遺構・門脇小学校/いしのまき元気いちば/シーパルピア女川・旧女川交番/大川小学校・大川震災伝承館
【気仙沼・南三陸エリア】
気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館/気仙沼お魚市場/岩井崎塩づくり体験館・塩づくり体験/道の駅大谷海岸/教育資料館(みやぎの明治村内)
<評価ポイントについて>
観光コンテンツの評価は、多言語化対応状況やスタッフ、案内などのサービス全般だけでなく、参加者が復興の様子や地域の魅力をどのように感じたかも含め、自由記述形式で行いました。
また、参加者が率直に意見を述べられるよう、できるだけシンプルな設問とし、回答はアンケート形式の回答フォームを用いて、移動中などに各々がスマートフォンなどから評価コンテンツごとに速やかに回答できるようにしました。
【評価設問】
施設の多言語化対応/キャッシュレス対応/Free-Wi-fi導入状況/施設の清潔感/スタッフの対応/訪問場所の魅力点/震災からの復興が感じられるか/周辺のおすすめポイント/アジア圏・欧米豪圏どちらに好まれるか/この施設のおすすめ理由。
事前ワークショップ以降は、外国人モニターとして参加いただく15名の県内在住の外国人の方々への説明会、ガイド役学生との直前ミーティングをオンラインにて開催し、訪問地や評価ポイントの共有を行い、取組内容についての再確認を実施しました。
プログラム当日は、ガイド役学生・外国人モニターのみなさんで、3エリアに分かれて視察を行いました。各訪問地での感想や写真を一部紹介します。
【仙台・松島エリア】
<震災遺構
仙台市立荒浜小学校>
・展示のところの教室で流れている動画はほとんど日本語以外の字幕はなかったので残念に思いました。動画全体に字幕を付けることが難しかったら、動画の終わりのほうにある話してくださった方のメッセージだけでも翻訳すれば非常に有意義だと感じます。
・Free-Wi-fiは、あれば良いですが、ここには必要はないです。
・スタッフは非常に丁寧で、知識が豊富でした。特にガイドさんの説明は深く、詳細かつわかりやすかったです。
・説明も分かりやすく、声も十分通っていた。画像の説明資料を持ちながら実際の場所を指さしながら話してくださり、学びのある体験だった。また、ただの説明に終止せず、我々が海外の人であるという、閲覧者の立場に立った解説がなされていた。
・2011年に東北で起きた悲劇の深刻さを深く感じることができます。
<せんだい3.11メモリアル交流館>
・震災についていろいろ学べるところがとても魅力を感じます。
・説明が多く、東日本大震災に関する勉強になります。
・英語での説明が不十分でした。写真についてもっと知りたかったのですが、日本語を早く読めないので、残念ながら多くの情報を見逃してしまいました。
・パンフレットは多言語対応であったが、展示にはフリガナのない漢字が多く、文字情報がメインなので英語で書いていないとわからない人も多いと思った。
・祭り文化の展示もあり、アジア圏でみられる獅子舞との関連も含めて楽しめます。
<松島おさかな市場>
・魚の紹介とかがあればいいなと思います。
・もっと目立つ場所に、Wi-Fiについての表示がほしいです。
・にぎやかな環境で、復興による盛り上がりを感じることができた。
・新鮮でとても美味しい魚でした!お店の中はいい匂いがして食欲をそそられました。スタッフの方もとても親切で気持ちよく食事を楽しむことができました。
・海鮮丼、島の景色、食品系のお土産の種類が多いことが魅力です。
・建物が少し古く、バリアフリーへの対応が不安に思える。
<瑞巌寺>
・英語の案内説明があって、とてもよかったです。特に資料館では、仏教の文化の説明が詳しくわかりやすく、きれいな英語で書いてありました。手洗いのなかにも、トイレの内装材は東日本大震災に害を受けた杉で作られているという説明が英語で書いてあって、意外と面白かったです
・宮城県の豊かな文化を反映しています。伝統的な日本の静寂な雰囲気を伝え、日本の歴史と文化をより深く知ることができる機会を提供します。
・仏教の建築、芸術と技術の作品が優れていると感じました。仙台らしい伊達公の心も伝わってきました。
・全く不便がなく素晴らしい場所です。
<松島蒲鉾本舗・笹かまぼこ手焼き体験>
・仙台の名物を自分で体験でき、食べることもでき、松島の良い景色が見られることが魅力です。
・簡単な作業であるので、言語対応は今のままでも十分な気がします。
・宮城の食文化に体験型で触れられ、アジアの方にも欧米豪の方にもおすすめです。
・一切不便はありませんでした。スタッフの方々が親切に蒲鉾の作り方を説明してくれました。
<仙台うみの杜水族館>
・イルカショーは日本語のみで、フライトパフォーマンスの前にスピーカーで注意点が
発表されましたが、すべて日本語のみでした。どこかに英語などの、外国語で説明を書いておけば良いと思いました。
・イルカショーはポーランドには無いので特に良かったと思いました。今日はペンギンパレードに行けなかったが、それもポーランドには無いから良いと思いました
・多種多様な海洋生物を見ることができ、その多くを初めて見ました。館内は清潔で、スタッフも親切でした。動物たちが愛情とプロ意識を持って飼育されていることが伝わってきました。特に、美しい自然の背景の中で暮らすペンギンのコーナーは非常に魅力的でした。
・観光客としては、近くにあるアウトレットも楽しいかもしれません。
・水族館のレベルが高く、外国人旅行者におすすめです。
・宮城の水産業も学ぶことができ、日本の水族館文化も満喫できます。
<2024 SENDAI光のページェント>
・大きな木々がライトアップされていて、とても綺麗でした。到着した時間に点灯が始まって、感動しました。
・イルミネーションは、誰からも大人気ですよね!こんなに明るく、見事な光景は、心が躍ります。
・綺麗で仙台での夜の予定に組み込みやすい。
・仙台駅から近い。きれいなライトアップが見られる。場所が定禅寺通りで仙台らしさがある。
・どこからイルミネーション始まるか分かりにくく、人が多いため集団行動は困難です。
【石巻・女川エリア】
<石ノ森萬画館>
・説明はわかりやすく、面白かった。仮面ライダーは海外でも人気であり、外国籍の方のために英語もあるといいと思いました。
・私が見た限り、すべての看板が日本語で書かれていました。英語の看板を設置するか、音声ガイドなどを通じて、他の言語でも展示を楽しめるようにすることを提案します。
・無料Wi-Fiに関する看板は見当たりませんでしたが、私が見逃している可能性もあります。
・スタッフはとても親切で、必要な情報をすべて提供してくれました。全体的に非常にプロフェッショナルで、サービス精神に溢れていました。
・写真スポットでは、QRをスキャンして写真を撮ることが楽しめました。
・地震の影響を示す看板がたくさんあり、非常に印象的でした。
・日本のマンガ好きの人だったら仮面ライダーを見たことがなくても楽しく見られると思います。
<石巻市震災遺構・門脇小学校>
・すべての案内が英語で完全に対応されていたことに非常に感心しました。
・スタッフの方々は皆、とても親切で、何度も質問がないか、翻訳が必要かどうかを尋ねてくださいました。
・話し方がやさしく、スピードが早いですが分かりやすかったです。
・震災の破壊力と、その恐怖が今も鮮明に残っていることを感じました。私たちはどのように命を大切にすべきか、そして未来をどのように見つめていくべきかを考える上で、非常に重要なことだと思います
・地震や津波の不確実性という恐ろしい現実を浮き彫りにすると同時に、重要な歴史的出来事に光を当てています
<いしのまき元気いちば>
・外国籍の人が、日本のこういうお店の注文の仕方がわからないかもしれない為、注文案内みたいなものを用意したらいいじゃないかと思います
・外国人の意見も取り入れながら、数カ国語の表記をすると良い。
・食事は本当に美味しかったです。新鮮な伝統料理が味わえ、大きな市場もありました。
アクセスも便利で、特に石ノ森萬画館を訪れる予定がある方にはおすすめです。
・街の景観を守りつつも、高台に暮らせるようにしていて、とても復興に近づいていると思います。
・石巻の魅力である海産物やほやを使ったお菓子などが売っていて、とても魅力的だと思いました。
<シーパルピア女川・旧女川交番>
・英語翻訳あると助かります。海に近いという特徴で何かを観光客に体験させるものがあるともっと良くなるじゃないかと思います。
・以前はガイドや通訳の手配が可能だったようですが、現在はすべて日本語のみとなっています。翻訳については検討されており、今後実施したいと考えているようです。
・スタッフの雰囲気があったかいです。外国人を大歓迎していると感じます。
・旅行者に案内するときにゆっくり喋ってもらった方がいいと思います。
・スタッフは非常に熱心で、私たちにこの場所について多くのことを伝えたいという気持ちが強く伝わってきました。また、地域の祭りにもぜひ参加してほしいというお誘いもいただきました
・展望台からの景色と、ショップが並ぶメインストリートが最大のハイライトでした。地震に関する情報も非常に興味深いものでしたが、主に看板による案内であり、ガイドによる説明があるとより充実すると思いました。
・この地域全体が再建されたものの、地震の影響は今でも見ることができます。例えば、津波の破壊力を示すために、一部の建物がそのまま残されています。
・主に日本語が堪能な方におすすめですが、より本物の体験を求めて温かい歓迎を受けたい方には、絶好の場所だと思います。祭り期間中は特に活気のある町になるようです。また、写真家の方にもおすすめの場所です。
・静かな町でゆっくり休みたい方におすすめします。
・情報を読む時に多言語案内がないことで少し町の魅力を感じにくくなるかもしれません。
<大川小学校・大川震災伝承館>
・屋外には日本語と英語の看板が多数設置されていますが、ビジターセンターや展示場内にも英語の案内を設置することで、さらなる改善が期待できます。
・ガイドさんは、ここで起きた災害の悲しみを非常にうまく伝えてくれました。その説明を通じて、当時の状況の悲惨さを深く理解することができました
・津波で倒された学校そのものを見て勉強になることが多いです
・津波の被害を受けた跡地や、津波の到達した高さまで登る山道がとても印象的でした。
・今は、実際の都市というよりは、かつての都市の記憶のような場所だと感じました。展示館は美しく建てられており、「復興」の最も明確な象徴であると感じました。
・自分の言語を話すガイドがいると良いですが、ガイドの説明を聞くことで、(良い意味で)心が痛むような、非常に深い体験ができます。
・学校の周りの地面は土で歩きにくいです。
・移動が困難な方、特に車椅子をご利用の方にとっては、移動に不便を感じる可能性があります。
【気仙沼・南三陸エリア】
<気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館>
・語り部さんの持っている写真資料の説明にも多言語化された案内があると良い。案内に記載されていた外国語は、アプリのQRコードだったため、アプリをダウンロードする手間がある。日本語の下にそのまま記載があると良いのでは。
・他の言語のオーディオガイドのQRコードはあったのですが、書面での翻訳も用意されていれば、もっと便利だったと思います。
・Free
Wi-Fiのサインが目立たなかったように思う。大きく表示することはもちろん、
公式サイトなどでもよりわかりやすい表示が必要だと感じた。
・スタッフの方々は、親切で、細やかな気配りがあり、素晴らしいお話を聞かせていただき、とても感謝しています。また、大変理解のある方々で、本当に素晴らしいスタッフでした。
・気軽に話しかけてもらえるため、質問もしやすいと感じる。
・テンプレートの文章ではなく、自分なりの言葉で、重く、深く内容が伝わった。
・地震や津波を経験していない外国人にとっては、非常に強いインパクトがありました。この場所で、津波による破壊と人々の苦しみを実感すると同時に、彼らの強い精神力も感じることができました。とても感動的でした。
・地震と津波の厳しい現実が強く感じられ、その体験がこの場所を非常に効果的な伝承館にしています。
・震災前の賑わいにはまだ少し及ばないようですが、被災した学校を震災学習の場として活用していることは非常に素晴らしいと思います。高い適応力と復興の精神が感じられます。
・震災同時の映像、写真、震災の爪跡が沢山ありました。それに比べて、比較すると今の町がとても綺麗になって、しっかりと復興されたことがよくわかりました。
<気仙沼お魚市場>
・多くの説明に英語の翻訳がなかった点から、英語での表示を増やすことで、より多くの方に利用していただけるようになるはずです。
・地元の魚市場は良かったですが、市場の歴史について少し触れてもらえると、より魅力的になったと思います。
・カードでタッチレス決済ができる機械があったのでこれで十分かと思います
・新鮮な魚介類や地元の名物の種類が豊富で、周辺の海岸線も非常に美しいです。
・建物は完全に復旧されており、破損はありませんでした。さらに、津波の到達した高さを示す標識がいくつかあり、より興味深く、津波の影響を理解するのに役立ちました。
・旅行先としては活気のある場所のように感じられますが、生魚があまり得意でない方には、食事の選択肢が限られてしまうかもしれません。
<岩井崎塩づくり体験館・塩づくり体験>
・塩作りはとても楽しかったので、中国語の作り方を用意しておくと便利かもしれません。
・可能であれば、翻訳アプリをダンロードして、作り方を教えてくれる方の言葉をそのまま訳してお客さんに伝えられるともっと良いですね。
・キャッシュレス決済があればもっと参加者が増えると思う
・作っている動画等を撮影したい人もいると思う。Wi-Fi環境も必要だと思う
・スタッフの方々は本当にフレンドリーでした。お店を切り盛りされている女性の方は、すべてをとてもわかりやすく説明してくださり、楽しい冗談も言ってくださって、とても親切でした。
・どの国籍の方でも簡単に楽しめて、とても面白いアクティビティだと思います。
<道の駅大谷海岸>
・全ての商品に英語のラベルを付けることで、より多くのお客様に商品を知ってもらい、購入に繋がる可能性が高くなると思います。
・商品名に中国語と英語表記があるとなおさら良いですね。
・大きな看板でWi-Fiの情報が明確に表示されていたため、大変満足しています。
・スタッフの方は、袋に入れますか?やどちらからいらっしゃったのですか?と声をかけていただいた。
・インフォメーションセンターの隣に震災についてのポスターがあったが、ほとんどがイベントの案内で埋もれてしまっていた。
・復興についての場所に関連する情報は少ないですが、焦点は災害ではなく、現在に当てているのだと思いました。
・外の景色はとても良く、お土産の選択肢も豊富です。しかし、西洋からの多くの旅行者はお土産の多くが何なのかわからないのではないかと思います。
さらに、観光地というより、駅のような機能を果たしているように感じられます。
・ラー油やごま油を使った商品や酒(焼酎やクラフトビール)が多いように感じた。個人的なイメージだが、アジア圏の方の味覚に合うのではないかと思いました。
<教育資料館(みやぎの明治村内)>
・他の言語に対応したパンフレットやQRコードがあると良いと思います。日本語が話せない人にとって、多くの興味深い情報や歴史にアクセスしにくくなっています。
・多言語化されていればわかりやすくて助かるとは思うのですが、昔の小学校なので、多言語化されると昔ながらの趣が壊される恐れもあるので、なかなか難しいところです。
・ビデオの映像や教室内の説明文の多言語化を行えば、もっとインバウンドの集客が望める
・ガイドの方のお話が面白かった。実体験に基づく貴重な話や小学校の細部構造、建設秘話、朝ドラ関連のトピックなどとにかく内容が充実していて楽しめた。
・非常に古く、興味深い歴史を持つ建物です。ガイドさんはこの場所に深い愛情を持っており、とてもわかりやすく説明してくださいました。当時の様子をありのままに感じられるように、大切に保存されていました。
・歴史と建築の深みと美しさに感動しました。一生忘れられない、とても貴重な体験でした。
・ガイドさんは、落下した瓦の修復など、一部の修復作業が行われたことを少し話して
いましたが、この場所は震災の影響をあまり受けませんでした。
・村全体がとても興味深かったです!もっと早く、もっと時間をかけて訪れるべきでした。
【取材の振り返り 最終ミーティング】
全てのエリアで視察を終えた後、参加者全員で最終ミーティングを開催しました。
最終ミーティングでは、各々の感想を中心に視察した場所やエリアについて感じたことを発表しました。
<感想の一部>
・今までは個人的に震災のことを考えることはなかったが、今日は気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館を訪れて泣いてしまった。
・多言語化については、対応できていない所が多かったが、明治村の場合は細かく多言語化されると昔ながらの趣が壊されてしまうため、どのように対応するかを慎重に考えたほうが良いのかと思う。
・様々な場所において、多言語化については、音声ガイドを用意するのが良いのではと感じた。
・展示については多言語化されている場合が多いが、資料映像に字幕翻訳がついていないのが不便だった。
・東日本大震災について知ることは、とてもインパクトがあることだが、被災した方たちの思いを聞いて学ぶことは貴重な経験となるので、震災を伝承している施設には、ぜひ外国人旅行者にも訪れてほしい。
・語り部の方が活動する際には、スマートフォンなどの翻訳アプリや、翻訳デバイスを活用しても良いのではと思う。
・日本は田舎の雰囲気も特徴的なため、そういった場所だけでも旅行者にアピールできるのではないか。
・英語だけの表記対応なら、直ぐにでも出来ると思うが、対応していないのが不思議に思う。
今回のプログラムでは、宮城県を訪れる訪日外国人旅行者が、沿岸部の魅力に触れながら震災について学ぶ機会を得ることで、より一層県内観光を有意義に感じられる、多言語化対応によって、施設やコンテンツへの没入感を高められるものもある、などのご意見をいただき、訪日外国人旅行者の視点に合わせたフィードバックが得られたプログラムになったものと考えております。
このレポートの最後に、今回の取組にご参加いただいたみなさま、訪問地で参加者にご対応頂いたみなさま、講演等にご協力いただきましたみなさまに、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。
今後も宮城県の魅力発信に繋がるよう、官民連携で取組を推進してまいります。