復興庁では、平成28年6月6日(月)に「東日本大震災5周年 復興フォーラム」を東京都千代田区のイイノホール&カンファレンスセンターにて開催しました。復興フォーラムと4つの分科会プログラム(「産業となりわいの再生」「防災・まちづくり」「福島情報発信」「コミュニティ」)を行い、約1,000名の方にご来場いただきました。
フォーラム第一部では、「岩手県・宮城県・福島県知事の鼎談」「復興支援ミニコンサート」を行いました。フォーラム第二部では、伊藤元重学習院大学教授をファシリテーターとし、復興に携わってきた各界の有識者が、この5年間の経験や得られた様々な教訓を伝えるとともに、被災地が抱える復興の課題への対応策や、これからの復興・創生に向けて積極的に取り組んでいきたいことについて活発なディスカッションを行いました。
分科会では、「産業となりわいの再生」「防災・まちづくり」「福島情報発信」「コミュニティ」の4つの分科会を開催しました。各分科会では、自社の取組発表、ブース・パネル・映像展示、パネルディスカッションなどを行いました。
【フォーラム】
(主催者あいさつ)
総合司会の生島ヒロシ氏の紹介により、髙木復興大臣からあいさつがありました。その後、参加している各国の大使及び大使館関係者を代表してケネディ駐日米国大使から御挨拶を頂きました。
(3県知事の鼎談)
「震災から5年の歩みと将来への展望」をテーマに、岩手県、宮城県、福島県の各知事が、総合司会の生島氏とともに、震災から5年の歩みを振り返り、これまでの苦労や支援に対する感謝のエピソードや被災地の未来の姿などを語りました。
(復興支援ミニコンサート)
音楽を通してそれぞれ復興活動に携わっている、ヴァイオリニストのノエ・乾氏、ピアニストの五島史誉氏、ソプラノ歌手の小川里美氏によるクラシックのミニコンサートを開催しました。
(パネルディスカッション)
「新たなステージ 復興・創生へ~「民」から見た教訓と今後の課題~」をテーマに、伊藤元重氏(復興推進委員会委員長、学習院大学教授)をファシリテーターに迎え、今村文彦氏(東北大学災害科学国際研究所所長)、木村惠司氏(公益社団法人経済同友会 震災復興委員会委員長、三菱地所株式会社取締役会長)、田村太郎氏(一般財団法人ダイバーシティ研究所代表理事)、引地恵氏(株式会社WATALIS代表取締役)、ダニエル・カール氏(タレント)にご登壇頂き、この5年間の経験や、5年間で得られた様々な教訓について意見交換をしました。また、被災地が抱える復興の課題への対応策や、これからの復興・創生に向けて積極的に取り組んでいきたいことについて活発なディスカッションを行いました。
【分科会】
(産業となりわいの再生)
被災地域企業の活躍や、大手企業による被災地域支援の取組等について紹介しました。被災地企業ブースとして10社、大手企業ブースとして8社、女性企業家ブースとして4社から出展頂きました。
取組発表では、安倍晋三内閣総理大臣が視察されるとともに、女性企業家4名が総理を囲み女性活躍をテーマに座談会を実施しました。
(防災・まちづくり)
パネルディスカッション「今後の災害に備えた将来への提言」を実施するとともに、6団体が、取組発表とパネル・映像展示を行いました。
パネルディスカッション「今後の災害に備えた将来への提言」では、今村文彦氏(東北大学災害科学国際研究所所長)をコーディネーターに迎え、山本正德氏(宮古市長)、野田武則氏(釜石市長)、菊地啓夫氏(岩沼市長)、阿部秀保氏(東松島市長)、須田善明氏(女川町長)、長島忠美氏(復興副大臣)にご登壇頂きました。発災後の初動体制や地域防災力の強化、災害に強い安全なまちづくりや事前防災の取組などの議題について活発な議論がなされ、将来への提言がまとめられました。
取組発表では、宮城県多賀城高等学校、コンパクトシティいしのまき・街なか創生協議会、東北大学災害科学国際研究所、日本財団、国際航業株式会社、今野梱包㈱・防災ジオラマ推進ネットワークの6団体より、それぞれの活動についてお話しいただきました。パネル・映像展示では、取組発表と同様の内容について、パネル展示および映像展示を行いました。
(福島情報発信)
「若者にとって魅力ある福島を目指して」と題し、福島の「今」をお伝えするとともに、福島でご活躍の方々によるパネルディスカッションを実施しました。
パネルディスカッション「若者にとって魅力ある福島を目指して」では、開沼博氏(立命館大学特別招聘准教授)をコーディネーターに迎え、若松謙維復興副大臣が主催者代表、芥川一則氏(福島工業高等専門学校副校長)、和田智行氏(株式会社小高ワーカーズベース代表取締役)、須藤愛美氏(有限会社南会津高原ファーム代表取締役)、西崎芽衣氏(立命館大学産業社会学部4回生)がパネリストとして登壇しました。福島復興の現状について正しい情報発信を行っていただくとともに、パネリストの皆様から復興に関する取組事例をご紹介いただいたあと、それぞれの視点から「若者から見た福島の魅力」や「これからの情報発信」について意見交換を行いました。
取組発表「一般社団法人ならはみらいでの活動などについて」では、楢葉町での1年間にわたる活動や現地滞在に至るまでの経緯、また活動を通じて感じた楢葉町や福島の魅力について、立命館大学産業社会学部の西崎氏にお話しいただきました。
映像展示では、震災発生時と現在の福島第一原発を比較した映像や、福島の四季のPR映像、福島県のプロジェクトとして株式会社福島ガイナックスが作成した実話に基づく短編アニメ「みらいへの手紙~この道の途中から~」を放映しました。
パネル展示では、福島県内の放射線量や食の安全・安心といった風評被害払拭に向けた取組、ならはみらいによる住民インタビュー記事「ならは31人の生の物語」を展示しました。
(コミュニティ)
「復興公営住宅でのコミュニティ形成」をテーマとしてパネルディスカッションを実施した後、「共生社会基盤としてのコミュニティ形成」をテーマとして基調講演をいただきました。また、「コミュニティ形成を支える人材の育成、活用」をテーマとしてパネルディスカッションを行いました。さらに、被災地でのコミュニティ形成に取り組む4団体から取組発表がありました。
パネルディスカッション「復興公営住宅でのコミュニティ形成」では、本多史朗氏(公益財団法人トヨタ財団チーフプログラム・オフィサー)、今村恵美氏(特定非営利活動法人カリタス釜石事務局長)、増田敬氏(一般社団法人石巻じちれん代表理事/新立野第2復興公営住宅団地会会長)、遠藤崇広氏(特定非営利活動法人3.11被災者を支援するいわき連絡協議会支援ディレクター)をパネリストに迎え、それぞれの活動を通して見えてきた課題やそれを乗り越える工夫についてご議論いただきました。
基調講演「共生社会基盤としてのコミュニティ形成」では、神戸や東日本大震災の被災地でコミュニティ形成に実践的に携わる神戸学院大学の藤井博志教授から、地域福祉の観点からみたコミュニティ形成の在り方についてお話いただきました。
パネルディスカッション「コミュニティ形成を支える人材の育成、活用」では、藤井博志氏(神戸学院大学総合リハビリテーション学部社会リハビリテーション学科教授)をコーディネーターに迎え、椎村祐一氏(大船渡市応急仮設住宅支援協議会統括)、千葉貴弘氏(東松島市社会福祉協議会事務局次長兼地域福祉課長、生活復興支援センター所長)、川村博氏(特定非営利活動法人Jin代表)をパネリストに、鈴木守幸氏(宮城県サポートセンター支援事務所所長)、池田昌弘氏(特定非営利活動法人全国コミュニティライフサポートセンター理事長)をサポーターに、高木宏壽復興大臣政務官をゲストに迎えました。全国的な課題でもある地域でのコミュニティ形成に関し、それを支える人材の育成・活用について、これまでの被災地での取組を題材としつつご議論いただきました。
取組発表では、被災地でのコミュニティ形成に取り組む、一般社団法人東松島みらいとし機構、特定非営利活動法人いわて連携復興センター、認定特定非営利活動法人冒険あそび場-せんだい・みやぎネットワーク、釜石リージョナルコーディネーター協議会による取組発表を行いました。
13:00~15:15 | 主催者あいさつ |
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総合司会:生島ヒロシ氏 |
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岩手県・宮城県・福島県知事鼎談 | |
テーマ:「震災から5年の歩みと将来への展望」 |
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パネルディスカッション | |
テーマ:「新たなステージ 復興・創生へ~「民」から見た教訓と今後の課題~」 |
○産業となりわいの再生
被災地域企業の成果、大手企業による被災地域支援の取組、復興庁の産業復興の取組、また、被災地で活躍する女性企業家エリアを設け、女性経営者の活躍も紹介します。
12:30~17:00 | ブース展示 |
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・復興庁、被災地域企業、大手企業、女性企業家にテーマを分けたブース展示 |
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16:00~17:00 | 取組発表(ミニプレゼン) |
・ブース出展者によるプレゼンテーションを実施し、各団体・企業の復興に関する取組内容等について発表 |
○防災・まちづくり
防災・まちづくりに関するパネルディスカッション、パネル・映像展示、ミニプレゼンを行います。
15:30~17:00 | パネルディスカッション |
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・「今後の災害に備えた将来への提言」 |
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12:30~17:00 | パネル・映像展示 |
14:20~15:20 | 取組発表(ミニプレゼン) |
・先進的な防災・まちづくりの取組の紹介 |
○福島情報発信
福島復興や放射線量の現状など、福島の「今」をお伝えするとともに、福島でご活躍の方々によるパネルディスカッションを行います。
15:30~17:00 | パネルディスカッション |
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・「若者にとって魅力ある福島を目指して」 |
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12:30~17:00 | パネル・映像展示 |
・福島の復興の現状、食の安全安心、放射線量、観光PR等 |
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13:00~13:30 | 取組発表 |
・「一般社団法人ならはみらいでの活動などについて」 |
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13:30~17:00 | 映像展示 |
・震災発生時と現在の福島第一原発を比較した映像や、福島の四季のPR映像、 |
○コミュニティ
復興公営住宅でのコミュニティ形成や、コミュニティ形成を支える人材の育成について議論を深めます。また、被災地で進むコミュニティ形成の取組も紹介します。
13:00~14:00 | パネルディスカッション |
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・「復興公営住宅でのコミュニティ形成」 |
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14:15~14:45 | 基調講演 |
・「共生社会基盤としてのコミュニティ形成」 |
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15:15~16:45 | パネルディスカッション |
・「コミュニティ形成を支える人材の育成、活用」 |
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12:30~17:00 | パネル展示 |
13:10~14:15 | 取組発表(ミニプレゼン) |
・被災地でのコミュニティ形成に取り組む一般社団法人東松島みらいとし機構、特定非営利活動法人いわて連携復興センター、認定特定非営利活動法人冒険あそび場-せんだい・みやぎネットワーク、釜石リージョナルコーディネーター協議会による取組発表(ミニプレゼン)や実演等 |