「新しい東北」官民連携推進協議会
東日本大震災から10年を迎えた思い ~これからの夢・展望~

大阪大学 全学教育推進機構

問題の自分ごと化を目指したアクティブラーニングによる初年次教育の実施


■これまでの取組

    • 被災経験に学び復興のありかたや課題について能動的に考える「震災の知・復興の知」授業の実施

      • ・2012年より全学の学生対象に、主に初年次学生が履修する全学共通教育科目として「震災の知・復興の知」を開講し、東日本大震災の経験に学び、震災からの復興のありかたや復興にむけた課題について学生が主体的に考える教育を実施
        ①授業前半:復興の現状と課題について、現地で災害ボランティアの活動を行ってきた学生団体の報告や、福島第一原子力発電所事故による環境放射線の調査に取り組んできた研究者や住民参加に取り組んできた研究者による講義、復興の課題を取り上げた資料の視聴と、以上を踏まえたディスカッション
        ②授業後半:受講生が復興にむけた課題についてグループで調査・検討を行い、課題解決に向けた方策を検討しその成果について発表
        2019年度のグループ発表のテーマ例:復興計画における住民自治、原発避難者の帰還の現状と人口流入策、風評被害への対策など
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■取組を始めたきっかけ・直面していた課題

    • 震災への関心の低下

      • ・学生が震災の経験に学び、将来、震災復興に様々な立場から関われるようになるため、初年次の学生を中心に全学部の学生が履修できる全学共通教育の枠組みで、東日本大震災をテーマにした授業を実施することが重要であると考え、2012年より継続して実施
        ・東日本震災から年数が経ち、震災への関心が低下するなか、学生の震災への関心を高めるとともに、自分たちの問題として捉えられるよう、アクティブラーニング型の授業手法を全面的に取り入れ授業を計画・実施
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■現在・今後の取組

    • 問題の自分ごと化を目指し、現在の問題を組み込んだ授業内容の拡充

      • ・同授業に最近の自然災害への対策など防災教育としての側面を取り入れたり、新型コロナウイルス問題との共通性なども授業テーマとして組み込むなど、学生の関心を高め、自分たちの問題として捉えられるように授業内容を拡充
        ・被災地支援などの活動を行っている学生団体や、被災地の飯舘村で研修を実施している教育プログラムとの連携により、受講生が本授業の受講にとどまらず、次のステップに踏み出せる支援
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