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設立発起人名簿・御挨拶

藤井 克己 様 国立大学法人 岩手大学 学長

今こそ連携し「新しい東北」の創造を
〜「新しい東北」官民連携推進協議会の設立に寄せて〜

東日本大震災から既に二年半近くが経ちました。

岩手県の県都盛岡で過ごしていると、何ごともなかったような淡々とした日常生活が戻ってきています。岩手大学のキャンパスも震災直後の新入生が三年生になり、この冬から就職活動に参画します。内陸部の見かけの立ち直りは実に速いものです。

しかし沿岸の被災地に身を置くと、この印象が間違いであったことに気付きます。特に最近気がかりなことは、ダメージの激しかった地域ほど修復が遅れて見えることです。そしてこのことは地域ばかりでなく、集落、企業・団体、さらに個人についても当てはまることでしょう。2020年に東京五輪決定!の朗報に沸き返ったころ、ある全国紙の川柳欄に“仮設出て みんなが家で 観る五輪”の句を見つけ、心を打たれました。

今こそ被災地域に暮らす(暮らしていた)老若男女すべての人が、『元の生活』のレベルに戻り、その総体として『元の地域』に修復できるよう、官民のあらゆる主体が総結集し連携して取り組む必要があります。その活動の地平に立つ『新しい東北』の創造に向けて、岩手大学も微力ながら『様々な主体』の一翼を担いたいと決意しています。