works_report 協議会の活動(3つの分科会)

line 【3】地域づくりネットワーク/活動実績

平成28年度第二回地域づくりネットワーク交流会を開催しました。

活動レポート

今回の地域づくりネットワーク交流会では、東北の被災地で避難生活の長期化や恒久住宅への移転に伴い、被災者の心身の健康の維持やコミュニティの形成がますます重要となっていることを踏まえて「コミュニティの形成」をテーマに開催しました。
東日本大震災や過去に起きた震災を契機としたコミュニティ形成に実践的に取組む講師の皆様をお招きし、これまでのご経験や教訓をお話いただき、被災地における地域コミュニティの現状と課題を共有し、今後の東北におけるコミュニティの形成について参加者と共に考えました。
また、参加者同士による議論・意見交換を行い、それぞれの気づきを共有するとともに、コミュニティ形成のあり方を共に考える会としました。

【開会】

開会では、久保田復興庁参事官から、「本日は、『コミュニティの形成』をテーマとして、震災を契機に、またその過程で進められるコミュニティの再生・形成についてのご講演を、それぞれの自治体の枠を超えた広域的な視点で、また女性や若者などの多角的な視点で知ってもらいたい。そして、ディスカッションでは日頃思っていることなどを活発にご議論いただきたい。」とのご挨拶がありました。

久保田復興庁参事官

【基調講演①】

基調講演①では、公益財団法人トヨタ財団チーフプログラムオフィサー本多史朗様にご登壇いただき、「復興公営住宅におけるコミュニティづくり-何が大事なのか」というテーマで、東日本大震災被災地におけるコミュニティとは何か、そして具体的なモデルとなる復興公営住宅の例はどこか、最後に何が復興公営住宅におけるコミュニティづくりを促していったのか、という3つの視点から御講演いただきました。

まず、伝統的なコミュニティの持つ「話し合いの場」、「何ものかの共有」、「共通の資産」という3つの特徴が示され、続いてモデルとなる復興公営住宅として新立野第二復興住宅(宮城県石巻市)、上中島Ⅰ期復興住宅(岩手県釜石市)での事例が紹介されました。最後に、コミュニティづくりを促すポイントとして「自治会長のリーダーシップ」と「女性入居者のエネルギー」について実例を交えてご説明がありました。


公益財団法人トヨタ財団チーフプログラムオフィサー本多史朗様

【基調講演②】

基調講演②では、認定NPO法人コミュニティ・サポートセンター神戸(CS神戸)事務局長飛田敦子様にご登壇いただき、「女性が示す被災地復興の道〜神戸から東北へ〜」というテーマで、中間支援を行うCS神戸の事例の中から、女性が活躍するコミュニティ活動を通じてその特色や共通課題についてお話いただきました。
CS神戸が支援する事例として、20年以上続く配食サービスや、有償の助け合い活動、地域の居場所提供を通じたコミュニティづくり、地域の学生と連携した復興をテーマとした催しなどが紹介されました。実例を通じて被災者・支援者の2軸だけでは語れない多様性の大切さが伝えられました。

認定NPO法人コミュニティ・サポートセンター神戸(CS神戸)事務局長飛田敦子様

【基調講演③】

基調講演③では、公益社団法人中越防災安全推進機構ムラビト・デザインセンターにいがたイナカレッジチーフコーディネーター金子知也様にご登壇いただき、「地域の“多様な担い手”づくりとコミュニティ形成」というテーマで、中越地震で被災した中山間地域でにおけるIターン留学事業「にいがたイナカレッジ」での取組を通じてお話いただきました。
1年間かけてムラやヒトの魅力を感じてもらい、中山間地域での暮らしに共感する若者を増やしていく取組である「にいがたイナカレッジ」を通じて、移住・定住ありきではなく、地域と若者との関係性をいかにして構築するか、その重要性が伝えられました。

公益社団法人中越防災安全推進機構ムラビト・デザインセンターにいがたイナカレッジチーフコーディネーター金子知也様

【ワークショップ・グループ発表】

続いて、みやぎ連携復興センターチーフプログラムコーディネーター中沢峻様をファシリテーターに招き、本日のご講演内容からの気づきや、アイディアを参加者同士で共有していただくとともに、今後、自身が関わるコミュニティや地域において“何ができるのか”、“何をすべきなのか”を考える契機とするワークショップを開催しました。
グループ発表では、コミュニティ形成には日頃のコミュニケーションが重要であると、全てのグループから共通した意見が出ました。その背景には新しい取組に対する反発や取組途中でのモチベーションの低下に対する課題意識があり、事前にお互いの地域への愛情を知り取組を始めやすい雰囲気を醸成すること、また前向きな雰囲気の中で活発な議論を継続することが解決の糸口になるのではないかと発表がありました。

みやぎ連携復興センターチーフプログラムコーディネーター中沢峻様
ワークショップ

開催概要

日時 平成28年10月28日(金)12:30〜17:05
場所 仙台青葉カルチャーセンター
プログラム プログラム
12:30 ‐ 開会
12:40 ‐ 基調講演(40 分×3 名、質疑応答含む)
    登壇者:(公財)トヨタ財団 本多史朗 氏
    登壇者:認定NPO 法人CS神戸 飛田敦子 氏
    登壇者:にいがたイナカレッジ 金子知也 氏
15:00 ‐ ワークショップ
16:30 ‐ グループ発表
17:00 ‐ 閉会

ページトップボタン