平成31年2月24日(日)に、Barnyard GINZA(東京都中央区)にて、「「食材の旬とその価値を伝える」ワークショップ」を開催しました。
有限会社秀吉は、岩手県内で一次産業を盛り上げようと活動している生産者・加工業者と共に、岩手における一次産業の現状を共有し、食材の旬とその価値を伝え議論するセミナー「「食材の旬とその価値を伝える」ワークショップ」を開催しました。
まずは、自然放牧・交配で生産される短角牛を扱う府金伸治氏(肉のふがね)より「自然放牧・自然交配の短角牛を世界に広めるために」というテーマで、短角牛の生産現場や肉の特徴などをお話しいただきました。(写真左)。肉にも旬があるということ、それが自然放牧・交配をしている短角牛だからこそであり、その旬の時期の短角牛を多くの人に味わってもらうための取組(短角ヌーヴォーフェスタ(2019年4月29日開催予定))についてお話しいただきました。
次に、講師:陸前高田市で牡蠣を生産する佐々木眞氏(マルテン水産)より、「陸前高田市の現状と日本一の評価を得るために3年牡蠣を作り続けた理由」をテーマに、震災の時の現状、そしてそこから再開をして出荷できるようになった現状についてお話しいただきました。なぜ3年かけて牡蠣を作るのか(日本における牡蠣のイメージは西日本が強いが、牡蠣自体は小さい。それであれば穏やかな湾で長い時間をかけて育てられる大きな牡蠣を作り、ブランドにしようと決めた)、そしてそれが作れる環境が陸前高田にはあること、牡蠣の旬は冬のイメージだが、本来は冬から気温が高くなる春が美味しい時期であることについてお話しいただきました。
そして、料理人視点から「一次産業を守るために東京・銀座でできること」と題して、篠英治氏(Barnyard GINZA)からお話をいただきました。全国各地の生産者が、食材の販売先を見つけられなかったり、流通に乗れず捨てざるを得ない食材が多々あるということを聞かれて、直接生産者と取引をしていこうと取り組んで料理を提供していることや、料理人が生産者に代わりその食材について伝えていくことの大切さなどをお話いただきました。
その後、参加者が2グループに分かれ、牡蠣を実際に剥く体験と、肉の火入れレクチャーを受けました。牡蠣を剥いたことがある人は3割ほどで、牡蠣の殻自体を触ることが初めてという方も結構いらっしゃいました。牡蠣の形を把握した上で、ナイフの入れ方、そこから貝柱を切りむくまでを一人一人体験していただきました。
肉の火入れに関しては、まずは短角牛と和牛の2種類をレア、ミディアムレア、ミディアムの3種類に焼き上げたものを見ながら、それぞれの焼き方について考察しました。(和牛は時間が経つと脂身が固まってしまい、火入れの違いの見分けがつきにくいのに対して、短角牛は時間が経っても赤身がはっきりしており、見分けがつきやすいなど参加者からも意見が出ました。)和牛と短角牛では同じ焼き方でも見た目がまったく異なること、焼くときのポイントなどをシェフに説明いただきながら、府金さんの自宅で美味しく食べるコツなどをお話しいただきました。