平成30年12月22日(土)に、あまぎ水の文化村(福岡県朝倉市)にて、「大船渡・朝倉のコラボレーションによる食やまちのブランド向上」を開催しました。
株式会社アグリガーデンスクール&アカデミーは、「大船渡・朝倉のコラボレーションによる食やまちのブランド向上」をテーマにワークショップを実施しました。東日本大震災で甚大な被害のあった岩手県大船渡市は、本州一の「さんま」の水揚げ量を誇り、一方、九州北部豪雨で被災した朝倉市は農業が盛んな地域となっています。漁業振興を目指す大船渡市は、さんまの消費拡大を目指しており、農業振興を目指す朝倉市は新たな農産物の開発やブランド化を図る必要があります。そこで、三陸産の「さんま」と朝倉産の農産物「えごま」を生かした新たな食の開発を模索するために、ワークショップを開催しました。このワークショップを通じて、被災地相互の復興支援につなげると同時に、他の被災地に勇気と希望を与える機会にしたいと考えました。
①「東日本大震災から現在に至る大船渡市のまちづくりの取組」
講師:大船渡市商工港湾部 観光推進室 係長 松川 直史氏
大船渡市は本州一の「さんま」の水揚げ量を誇ることから、漁業が基幹産業です。しかし、東日本大震災で大きな被害が出たことから、漁業振興が緊急な課題となっており、「さんま」の通年消費の拡大に向けた取組(新たなメニュー開発や食べ方のアイデア)を模索している旨の説明がありました。
②「東日本大震災から現在に至る大船渡市観光協会としての取組」
講師:一般社団法人大船渡市観光物産協会 観光振興支援員 佐藤 和明氏
東日本大震災が発生したことで、大船渡市は交流人口の減少を招いています。そこで、観光物産協会としても市と連携の下、漁業振興にもつながる取組が求められています。「さんま焼き師」の制度もその一つであり、観光交流人口の増大につなげていきたい旨の説明がありました。
③「九州北部豪雨からの復興を目指したえごま栽培とブランド化づくり」
講師:元朝倉市都市建設部長 高良 寛氏
昨年の九州北部豪雨による朝倉市の被害状況の報告、被災農地の有効活用として「えごま」の栽培を始めた経緯と今後の展望についての説明がありました。朝倉産えごま油は、すでにふるさと納税の返礼品になっており、今後は「えごま」の多様な使用方法の開拓が課題と考えられ、模索している状況にあることをお話いただきました。
④「大船渡さんま×朝倉さんまソースによる」新たな食材開発のレシピ・特徴
講師:野菜ソムリエプロ・食育マイスター あさくら広域地区住民ディレクター
森田 由美子氏
野菜ソムリエとして特に力を入れている取組みの一つとして、筑前町の特産品(筑前姫酢)の普及があります。その活用方法として、参加者に「さんまソース(朝倉産えごまと筑前姫酢を利用)」を紹介し、開発するに至った経緯を説明、「さんまソース」の味見を通じて、使い方のアイデアを募りました。
<ワークショップの様子>
・大船渡市(漁業)と朝倉市(農業)の体験交流イベントの開催や交流ツアーの実施
・大船渡の名産である「さんま」と朝倉産「えごま」のコラボ商品の開発
(一例:ピザ)
・「さんま」を使った料理教室(朝倉で実施)
・朝倉産「えごま」や果樹を使用した漁業従事者向けドリンクやサプリの開発
・「さんま」の栄養価の表示など、健康に良いことの積極的な情報発信
これらの意見を踏まえて、漁業振興を目指す大船渡市、農業振興を目指す朝倉市相互の復興と地方創生の一助につなげたいと考えています。