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連携制度

連携セミナー制度

平成30年11月9~11日に、「東北の女性起業家・社会事業家がつながる交流・研修プログラム」を開催しました。

平成30年11月9~11日に、さんさん館、上山八幡宮社務所、南三陸町ホテル観洋、南三陸ポータルセンター(いずれも宮城県南三陸町)にて、「東北の女性起業家・社会事業家がつながる交流・研修プログラム」を開催しました。

主催:
特定非営利活動法人ウィメンズアイ
開催日時:
平成30年11月9日(金)、10日(土)、11日(日)
開催場所:
さんさん館、上山八幡宮社務所、南三陸町ホテル観洋、南三陸ポータルセンター(宮城県南三陸町)
開催概要:

ウィメンズアイは、宮城県、岩手県、福島県で復興支援や地域の新しい活動を創出しようとする若年女性のリーダーシップ研修を2015年から開催してきました。第9回目となる今回は、ネットワークづくりを目的とした「東北の女性起業家・社会事業家がつながる交流・研修プログラム 〜グラスルーツ・アカデミー東北 in宮城 2018〜」と題して、3日間の合宿研修の中で7つのプログラムを開催しました。


1)体験型研修「チームビルディング」:吉田和美氏(株式会社Excellent Organization Development 代表取締役)

グループに分かれ、言葉だけでお互いの情報を整理し、課題解決に取り組む研修を行いました。その中で、チーム間の協力が必要となることを体験しました。終了後、課題に取り組んでいる最中のグループメンバー間コミュニケーションの変化と転換点となった発言や態度、心の動きなど、成功の秘訣はどこにあったか、自組織に持ち帰って活かせることをグループで話し合い、全員で共有しました。 共有内容(一部紹介):「『みんなが活かされ成果が出せる』状態を疑似体験できた」、「確証がないときにリーダーが引っ張ってくれたおかげで、自信を持って頑張れた」、「挑戦に意味があると感じた」


2)プレゼン力を磨く(東北の先輩女性リーダー講師)
①菅野瑞穂氏(福島県二本松市 きぼうのたねカンパニー社長)、②小池晶子氏(福島県福島市 舞台デザイン専門家)、③板林恵氏(岩手県陸前高田市 ママのぱわーすぽっと陸前高田共同代表)、④中島綾子氏(宮城県南三陸町 ひころマルシェ実行委員長)

会場に3つのブースを設け、草の根で活動する先輩女性たちが活動を紹介する「3分間プレゼン」を数回行う、プレゼンサーキットを各人3回(各ブースの聴き手が4〜5人程度)行いました。それに対し、聴き手が質問(例:プレゼンでは理解できなかった背景、そもそもなぜこの話をするのか、実際の困難など)と対話(例:質問を受けての開示、聴き手のケースの話、将来の方向性など)を行いました。続いて、初めての参加者たちが「3分間プレゼン」を行い、先輩女性たちからプレゼン方法についてのフィードバック(例:話し方、原稿を見ないほうが良いケース、話の順番の組立てなど)と、活動そのものへのアドバイス、暮らしと両立して続けていくための秘訣(例:無理しすぎない、便利な家電に頼る、生活をシンプルにする、抱えているタスクを1つやめる)の共有を行いました。


3)事例紹介「コミュニティでビジョンの共有」工藤真弓氏(南三陸町上山八幡宮禰宜)

南三陸町で仮設住宅に避難していた時から地域住民のささやかな声を拾い、まちづくりの活動へ育ててきた事例を紹介しました。仮設住宅の集会所で続けてきた椿をモチーフにした避難路づくり(椿茶のお茶会サロン活動、植樹苗の育成、避難路の目印となる椿の植樹活動)や、自然の砂浜を残すために防潮堤の位置を見直してもらう勉強会など、被災地の参加者の身近な事例が紹介されました。必要な要素として、目の前のことだけではなく高いところから俯瞰する視座、目先のことではなく長期的な視野、人が離れる堅苦しさではなく人が寄ってくる暖かさと楽しさ、活動する目的を達成するための戦略的な思考、などが提示されました。


4)交流会

先輩女性と初めての参加者、講師や一般参加者たちが立場を超えて情報交換をしました。


5)プレゼン力を磨くvol.2 先輩プレゼンから学ぶ(東北の先輩女性リーダー)①阿部美和氏(福島県福島市 NPO法人天使の唄 障害者就労支援と障害者のグループホーム運営)、②鎌田千瑛美氏(福島県南相馬市高校教師、元ふくしま復興連携センター事務局長)③佐藤美代子氏(岩手県花巻市 まんまるママいわて代表)

初めての参加者からの「自分が思ったようには相手に伝えられていない」、「伝えたいことがたくさんあり時間が足りなくなる」などの要望を踏まえて、3名の先輩から活動についてのプレゼンをしてもらいました。先輩講師たちは、自身の活動紹介のみならず自分がなぜその活動をしているかの情熱についても語り、参加者たちも聞き入っていました。また、翌日の講師であるCraig Ishii氏からは「東北の各地でこんな素晴らしい活動をしている女性たちの話を聞けて感動した」との感想が共有されました。


6)先進講義「事業継続に重要なこと」Craig Ishii氏(NPO Kizuna, Founder)

日系アメリカ人社会のコミュニティ文化を引き継ぐ次世代の育成をロサンゼルスで行っているNPO Kizunaの活動内容を紹介しました。「思いを形にするストーリー」、「目的とミッション」、「期待値の設定」、「予算」の4つの点から組織の段階的発展を解説しました。参加者からは、積極的に質問が続き、時間をオーバーするほどでした。ビジョンをどの範囲まで共有すればいいのか、活動への参加者を継続させるにはどうしたらよいのか、将来の見通しとはどの程度具体的にしたらよいのか、などの質問が出ました。


7)「質問力・学ぶ力」<講師(東北の先輩女性リーダー講師)①天澤寛子氏(宮城県気仙沼市NPO法人はまわらす)、②瀬川加織氏(岩手県北上市 岩手連携復興センター)、③栗林美知子氏(宮城県南三陸町 パン菓子シェア工房Oui代表)

Ishii氏からのプレゼンの合間に、どんな問いを相手に伝えるか、栗林氏にお手本を示してもらいました。Ishii氏がプレゼン内で使った表現(happiness= reality - expectations)の意味を詳しく解説してほしいと質問。発表者と聴き手の認識のズレを埋める確認の質問によって他の参加者の理解も深まり「わからないことを質問するのは恥ずかしいことでなく他者の役に立つ」ことを伝えました。これを皮切りに初めての参加者からも怖れず質問の手があがりました。
また、前回のロサンゼルス研修でIshii氏のプレゼンを聞いた経験のある天澤氏、瀬川氏からは学びのポイントを解説してもらいました。参加者は、自分が知りたいことを明確に、具体的な回答をもらえるような質問をする、プレゼンやQ&Aを通し、自分の聞く力をつけて学ぶポイントを押さえることを先輩講師たちから学びました。


活動した成果:

今回の研修の結果、以下のような成果を生み出すことができました。


● 互いの活動から学ぶ大切さを知り、目標に向けて互いに貢献しあう機運が高まりました。

● 東北で活躍する若手女性リーダーの間に互いへの信頼と尊敬が醸成されました。

● 若い参加者たちが、当研修でメンターを見つけることができました。

● マルシェでの連携が生まれました(例:福島県からのアカデミー参加者が、福島駅近くの施設「如春荘」を使って、人が集まる場作りを開始しました。その仕掛けの一つとして、マルシェの開催を構想し、宮城県からのアカデミー参加者が開催するひころマルシェが協力を約束し、出店予定です。)

● 参加者同士が共同プロジェクトを計画するなど、主体的な動きが始まっています。宮城県と福島県の参加者同士がお互いの活動や復興状況の視察に出向く予定です。また、宮城県からの参加者の事業(子ども服リサイクル)と連携して岩手県からの参加者が陸前高田市での展開を計画しはじめました。
このほか、この研修を機に、本格的な起業を決めた参加者や、震災から続けてきた事業継続に疲弊し自信を失っていたが当研修で視界が開けたと語る参加者、県の境界を超えて切磋琢磨できる仲間を見つけられた参加者、などがいました。

復興・創生との関係:

被災地の復興に向け、日頃なかなか研修・交流機会のない女性リーダーたちが出会い、学び合う貴重な機会となりました。

今後の活動の方針・展望:

今後も、復興・創生に力を尽くしている若年女性たちがエンパワーされ、信頼できる仲間を増やす機会創出のため、被災地の女性リーダー育成研修・交流プログラムを継続していきたいです。

【本件に関する問合せ先】
企業・法人名:特定非営利活動法人ウィメンズアイ
担当:代表理事 石本めぐみ
Tel:090-6018-7759
Mail: info@abcdefghijk.co.jp
URL: http://abcdefghijk.co.jp/