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連携制度

連携セミナー制度

平成30年8月1日(水)から3日(金)にかけて「第3回福島、チェルノブイリ、スリーマイルアイランド国際シンポジウム」が開催されました。

平成30年8月1日~3日に第3回福島、チェルノブイリ、スリーマイルアイランド国際シンポジウムを開催しました。
8月1日~2日は学校法人昌平黌東日本国際大学(福島県いわき市)にて講演と質疑応答を行い、8月3日は福島第一原子力発電所を視察しました。

主催:
学校法人昌平黌東日本国際大学
共催:
一般社団法人日本原子力学会 福島特別プロジェクト
参加団体:
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構、環境省東北地方環境事務所、福島県環境創造センター、東京電力ホールディングス株式会社、公立大学法人福島県立医科大学、原子力損害賠償・廃炉等支援機構、国立大学法人東北大学、Gesellschaft für Anlagen-und Reaktorsicherheit、NOVARKA、Institute for Safety Problems of Nuclear Power Plants、Institute of Engineering Thermophyics(IAEA)、International Atomic Energy Agency、Byrne & Associates
開催日時:
平成30年8月1日(水)〜 8月3日(金)
開催場所:
・東日本国際大学1号館201教室
・福島第一原子力発電所
開催概要:
東日本国際大学 福島復興創世研究所の大西康夫所長を責任者として、チェルノブイリ、スリーマイルアイランドの教訓を福島に活かすことを目的に「第3回 福島、チェルノブイリ、スリーマイルアイランド国際シンポジウム」を開催しました。
  • 《 一日目発表者 》
  • ・ プレゼン1:飯島和毅氏(日本原子力研究開発機構福島研究部門福島環境安全センター放射線計測技術 グループリーダー)
  • ・ プレゼン2:小沢晴司氏(環境省東北地方環境事務所 所長)
  • ・ プレゼン3:角山茂章氏(福島県環境創造センター 所長)
  • ・ プレゼン4:三倉通孝氏(日本原子力学会 理事)
  • ・ プレゼン5:大倉 誠氏(東京電力ホールディングス株式会社 常務執行役)
  • ・ プレゼン6:ユリヤ・リャムジナ氏(福島県立医科大学 助教授)
  • ・ プレゼン7:野村茂雄氏(原子力損害賠償・廃炉等支援機構 理事)
  • ・ プレゼン8:佐藤修彰氏(東北大学 教授)
  • ・ プレゼン9:鷲谷忠博(日本原子力研究開発機構福島研究開発部門 廃炉国際共同研究 センター 廃炉リスク管理研究ディビジョン、ディビジョン長)
  • ・ サマリー :大西康夫(東日本国際大学 福島復興創世研究所 所長)

  • 《 二日目発表者 》
  • ・ プレゼン10:大西康夫(東日本国際大学 福島復興創世研究所 所長)
  • ・ プレゼン11:ガンター・プレッツシュ(Gesellschaft für Anlagen-und Reaktorsicherheit (GRS) Head of Radiation and Environmental Protection Division)
  • ・ プレゼン12:バレリー・スルモフ(NOVARKA Licensing Manager)
  • ・ プレゼン13:ローマ・ゴドゥン(Institute for Safety Problems of Nuclear Power Plants/Head of department)
  • ・ プレゼン14:パブロ・クルコフスキー(Institute of Engineering Thermophyics /Head of department)
  • ・ プレゼン15:ミハイロ・メテル(Institute of Engineering Thermophyics /Senior researcher)
  • ・ プレゼン16:タチアナ・キロチツカ(Division of Radiation, Transport and Waste Safety Department of Nuclear Safety and Security International Atomic Energy Agency Vienna International Centre)
  • ・ プレゼン17:ジェイムス・バーン(Byrne & Associates engineer)
  • ・ プレゼン18:ジェイムス・バーン(Byrne & Associates engineer)

以下は14日のシンポジウムの講演内容(一部抜粋)です1.講師の発表内容と質疑応答(一部抜粋) ・主題:チェルノブイリ原発事故からの復興(講師:大西康夫氏)
大西康夫氏が概念設計を行ったチェルノブイリの新・安全閉じ込め構造物について紹介した後に、原子力災害の対応における要点として、①政府は国民から信頼されなければならない(科学と感情を考慮したリスクコミュニケーション)、②持続可能な福島復興のためには意思決定体制の中に地域住民と有能な科学者・技術者・医師が含まれていなければならないといった2点を強調されました。


・主題:原発事故後の状況に関するIAEAの見解(講師:タチアナ・キロチツカ氏)
IAEAのタチアナ・キロチツカ氏は、原発事故の修復から30年が経過したチェルノブイリ・シェルターの教訓と将来の安全性について紹介しました。今後、修復活動を実施する際には、将来的展望(タスク評価・優先順位等)を含むロードマップを作成する必要があるとし、解体・デコミ・燃料デブリと廃棄物の除去作業に関する課題と不確実性について慎重に評価すべきといった指摘がなされました。


・主題1:TMI-2汚染除去の歴史、主題2:事故により生じた水処理の歴史
(講師:ジェイムス・バーン氏)
Byrne & Associatesのジェイムス・バーン氏は、二つの主題で発表を行いました。第一の発表では、アメリカの原子力規制体制に関する基本事項を説明した後、スリーマイルアイランドの原子力事故時の一般市民との情報共有について紹介しました。一般市民との交流は、TMI-2クリーンアッププログラムの重要な側面であり、TMI-2原子力規制委員会諮問機関との会合、TMIビジターセンター、TMI-2スピーカー事務局の維持管理、エネルギー教育、頻繁なニュースリリース、プログラムのすべてに関する説明会が実施されたことを報告され、政府と国民の信頼を失わせないリスクコミュニケーションの具体策について共有されました。
第二の発表では、TMI-2クリーンアップ活動の第一段階である汚染水処理について発表されました。スリーマイルアイランドの事故で発生した汚染水は、1,500立方メートル(1.85MBq / ml)に上り、様々な汚水槽やタンクに保存されたことを踏まえて、当初は、その処理方法に関する技術的なメリットに基づき、河川への液体排出が推奨されましたが、GPU Nuclearは特有の健康被害がもたらされるという一般大衆の認識を考慮して、水蒸気放出を推奨しました。その結論に至るまでの過程について当時の状況について詳述されました。


2. 活動成果 二日間のシンポジウムでは、福島、チェルノブイリ、スリーマイルアイランドの原発事故の復興に携わる世界的権威の講師陣が福島県いわき市に一堂に会して、それぞれの教訓を 共有しました。参加者は海外からの参加者を含めて合計350人が結集しました。本シンポジウムに向けて作成されたサマリー及びプレゼン資料は、今後の福島復興を検討する上で、学術的にも実践的にも非常に価値のあるものとなりました。今後、内容の調整が終わり次第、東日本国際大学のホームページ内にある福島復興創世研究所のページでダウンロードできるようにする予定です。
3. 活動成果と復興・創生の関係 二原子力災害からの復興は長期間を要するため、長い年月にわたって対策を進めてきたチェルノブイリやスリーマイルアイランドの経験を活かして持続可能な福島復興のあり方を検討していく必要があります。本シンポジウムは、そのために必要な教訓を関係者と地元住民を含めて共有する貴重な機会を提供することができました。
4. 今後の方針 学校法人昌平黌東日本国際大学が設立した「福島復興創世研究所」は、『自らの運命は自らで決める』といった自主性を重んじ、福島復興に関する研究及び実践的貢献を通じて、福島、そして日本に知識産業を確立することを目的としています。本シンポジウムを契機として、今後も国際的な視点から環境回復・経済復興・心の復興に取り組み、福島県浜通りの復興に貢献して 参ります。
 
【本件に関する問合せ先】
学校法人昌平黌東日本国際大学
東日本国際大学福島復興創世研究所 准教授 森本恭平
Tel:080-3233-7942
Mail:kyomognk@tonichi-kokusai-u.ac.jp
URL:http://www.shk-ac.jp/lab_fukushima_hultukou_02.html