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協議会の活動

活動紹介

令和5年2月16日(木)・17日(金)に「The Next Generation Summit in J-VILLAGE」を開催しました。

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 「新しい東北」官民連携推進協議会では、今年度も、福島県を拠点とする協議会の副代表団体等による意見交換会を実施しています。意見交換会では、福島県が直面する人口減少や高齢化、産業の担い手不足などの課題の解決に向けて、2023 年度以降、福島の復興のシンボルである「J-VILLAGE 」を舞台に 県内外の若者たちが「持続可能な地域づくり」を考える「話し合いの場」を作ることを見据えて、議論を進めてまいりました。
 2月16日(木)・17日(金)には、「話し合いの場」に向けた準備を行うプロジェクトとして、「The Next Generation Summit in J-VILLAGE」を開催。県内外の大学生、若手の社会人14名に参加いただき、福島県浜通りの視察、地域課題の解決に向けて地元で活躍している方々とのディスカッション、グループワークを通じて、次年度の「話し合いの場」の具体的な議論のテーマなどのプログラム案を若い方の目線で検討いただきました。

■浜通りの視察

 1日目の前半のプログラムでは、東日本大震災の被害の実態を知り、福島の「今」そして「これから」について考えるため、東日本大震災・原子力災害伝承館、中間貯蔵施設、福島しろはとファームの視察を行いました。
 東日本大震災・原子力災害伝承館では、施設内展示や館内の語り部等からの話を通じ、地震・津波・原子力発電所事故の被害状況、それ後の復興の姿を学びました。また、中間貯蔵施設の視察では、土壌貯蔵施設に除去土壌が搬入されている様子などを見学するとともに、除去土壌の搬入状況の経年変化の状況などを学びました。福島しろはとファームでは、楢葉おいも熟成蔵等の施設内見学や映像視聴を通じ、震災後、楢葉町でサツマイモ栽培という新産業が生まれた経緯を知り、営農再開の取組を学びました。
 全体行程の中で限られた時間の視察となりましたが、視察の中では、参加した学生・社会人からも多くの質問が挙げられ、館内スタッフや副代表団体等とやり取りが行われました。参加者からは、もう少し長い時間、一つ一つの施設をゆっくり見たかった等の声も伺っており、事務局としてもこうした視察を通じて県外の方々にも福島の現状をしっかりと発信していくことが求められていると感じました。

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■ディスカッション

 その後、1日目の後半から2日目にかけて、3部構成のディスカッションを行いました。
 1部では、福島大学 鈴木 典夫教授、一般社団法人 まちづくりなみえ 石山 佳那様に「福島県での復興の取り組み」をテーマにトークして頂き、これまでの視察内容の感想も含めて福島県の現状などについて議論を行いました。

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 2部では、これまでの視察やディスカッションを通じて、参加者の方に次年度プログラムである第1回「話し合いの場」のテーマ案について議論いただくとともに、マグネットテーブル形式のワークショップによって、参加者間で主体的に3つのグループに分かれていただきました。
 参加者の方からは、「現住民も地域への愛が深まる復興」、「若者を福島にどのようにして呼び込むか」、「安心・安全のため、どのように除去土壌や処理水の情報発信をしていくか」、「風評被害の固定観念化(安心⇔安全の隔たりを埋めるには?)」、「いつまでも「被災地」でいいのか」、「どこ(まで)が復興なのか」、「何をもって「東北の復興完了」?」、「私はどう生きていきたいか(どう生きるか)」、「30年後の(22年後)の中間貯蔵施設の在り方」等の様々なテーマ案が出され、参加者同士、又は副代表団体等を交えての議論が行われました。
 議論当初は固い様子であった参加者も、マグネットテーブル形式のワークショップでグループ分けを行い、「似たことを書いている人」「一緒になると化学反応を起こせそうな人」といったファシリテーションに従って、参加者同士で対話を重ねながら、この時点での自身の考えをまとめることで、最終的に翌日のテーマ案を一緒に考えていきたい仲間同士、3つのグループにまとまることができました。

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 2日目、3部のディスカッションでは、2部の議論で別れた3チームごとに、第1回「話し合いの場」の更に具体的なテーマ案や進め方、取り組み内容に関して議論いただきました。発表を除くと2時間という短時間のディスカッション時間でしたが、参加者1人1人が真剣に福島県の、そして自分たちの住んでいる地域の未来の姿を想像し、「もう一度、あなたに会いたい~私のふるさとを考える、語る~」、「目指したい、目指すべき未来の姿は?」、「これからの新しい地域づくりのモデルを福島に」というテーマでの「話し合いの場」のプログラム案を作り上げました。

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■記者発表

 プログラムの最後には、記者発表の機会を設け、Jヴィレッジより2023年12月または2024年1月に第1回の「話し合いの場」を設ける旨、そして、その会議のテーマ、規模や参加者については、この2日間のプログラムに参加した若者たちが議論したプログラム案を踏まえ、さらに検討する旨を、また、参加者の各グループごとに考え抜いた「話し合いの場」のプログラム案を発表して頂きました。

 ― 幅広い世代の参加者に参加いただき、「ふるさと」をテーマに、トークフォークダンスという形式で、会議の参加者が二重の円になって、円の内側と外側の人が1 対 1で対話することを繰り返しながら、各世代と語り、自分のふるさとについての考えの変化や他者との価値観の違いを共有していくプログラム。

 ― 視察を通じて「復興」という言葉の意味について疑問を持ち、「復興という言葉を使わずに何かひとつのものに向かっていく指標となるものを作っていけたら」という思いのもとで作られた、浜通りの定住者、移住者の方々と浜通りに関心のある方々が4泊5日程度、交流や現地視察・体験、ディスカッションを行い、一人一人や行政、街として「目指したい、目指すべき未来の姿」を問い直していくプログラム。

 ― 福島県だけではなく全国的な課題である人口流出や高齢化という課題に対応すべく、全国から集まった地方創生や地域活性化に興味がある学生が、福島県内でアクティビティ(視察、職業体験)や民泊などを体験し、地方創生のプランをグループで議論、現地の人々や企業も巻き込んだ形で、全国へモデル化できるような具体的な地方創生策を検討していくプログラム。

 どれも魅力的なプログラム案であり、短時間ながら考え抜かれた内容です。これら各々のプログラム案と参加者からの発表内容については、ページ下部のリンクの資料にまとめていますので、ぜひ参照ください。

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■終わりに

 今回のプログラム参加を通じて、参加者の皆様からは、「福島についての知識を深めるとともに、同世代の人たちと意見交換をすることができ、非常に楽しく、有意義な時間を過ごすことができました。」「今までの授業や災害ボランティアの活動に参加する中で疑問点や問題点に感じたことについて議論を深め、ひとまず企画として形にできたので非常に有意義でした。それらをこれから実践していくのが次なる目標であると考えています。貴重な機会をありがとうございました。」といったご意見も頂いています。
 福島県の意見交換会では、今回、参加者の方々が考案したプログラム案をもとに、更に議論を深め、来年度の第1回の「話し合いの場」の実現につなげていきます。

■ 資料掲載リンク
● 福島県 参加者発表内容

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