平成27年7月26日(土)に岩手県遠野市で「新しい東北」交流会in遠野を開催しました。当日は、会員団体を中心に、約75団体から約130名の方にご来場いただきました。
今回の交流会では、「コミュニティの形成」をメインテーマとし、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震の復興におけるノウハウや東日本大震災の被災地における課題について共有するとともに、来場者の皆さまとともに「次の一手」を考えました。
オープニングとして、始めに岡本復興庁事務次官から、「復興や地方創生において柱の一つとなる「コミュニティの形成」は非常に難しいと思っている。行政がお金をつぎ込み、NPO法人の方々が主体となって活動を進めていくだけで地域が自立することはできない。皆様のお知恵を借りながら進めていきたい。」との挨拶がありました。
続いて、達増岩手県知事(大友岩手県復興局副局長代読)から「本日の交流会を契機とし、交流の輪が広がり、『新しい東北』の創造に向けた取り組みが大きく進展することを祈念する」とのご挨拶をいただきました。本田遠野市長からは「交流会の中で『コミュニティの形成』について活発な議論が展開されることを心から期待している。それが復興の加速に必ずつながるはず。」とご挨拶をいただきました。
今回のステージ企画として、イントロ・セッションと特別企画の2つのパネルディスカッションを行い、登壇者やブース出展者と来場者が交流する「交流タイム」を開催し、その後の「来場者との対話型セッション」で意見交換を行いました。
まず、イントロ・セッション「復興過程でコミュニティをどう作るか」では、阪神・淡路大震災/新潟県中越地震の被災地で活動されている小林郁雄 氏(人と防災未来センター 上級研究員)、阿部 巧 氏(公益社団法人中越防災安全推進機構ムラビト・デザインセンター センター長)にご登壇いただき、コミュニティ形成の多くの事例に関わっていらっしゃる本多史郎 氏(公益財団法人 トヨタ財団 プログラム・オフィサー)をファシリテーターに迎え、パネルディスカッション形式でご議論いただきました。小林氏からは災害に強い「コンパクトタウン」について、阿部氏からは新潟県山古志村での活動事例、本多氏からは岩手県釜石市平田団地の事例についてご説明いただきました。議論の中では、今後のコミュニティ形成における課題として、公営住宅の管理、入居者の交流機会創出に向けた取組・サポート体制の重要性が示されました。
次に行われた特別企画「郷土芸能・祭りを通じたコミュニティ形成」では、東日本大震災の被災地で「郷土芸能・祭り」を通じたコミュニティ形成に取り組んでこられた東梅 英夫 氏(臼澤鹿子踊り保存会 会長)、小岩 秀太郎 氏(公益社団法人全日本郷土芸能協会 事務局次長)にご登壇いただき、トークセッションを行いました。小岩氏からは被災地で祭り・芸能を復活させた事例を複数ご紹介いただきました。東梅氏からは、被災直後の祭り開催に対する反対意見への懸念や開催後の参加者の自信を持った姿など、現場の生の声をお伝えいただきました。
交流タイム後の「来場者との対話型セッション」では、来場者の皆様がパネルディスカッションと交流タイムの中で感じたことや、日頃から抱いているコミュニティ形成に係る疑問や問題意識等について、登壇者の方々にご議論いただきました。会場の皆様と東日本大震災からの復旧過程におけるコミュニティ形成の「次の一手」を考えました。
まず、岩手県大船渡市、岩手県釜石市、宮城県亘理町、自治体版ハンズオン支援事業対象自治体(岩手県久慈市・宮城県塩竈市・福島県郡山市)の方にお越しいただき、コミュニティ形成に向けた取組状況等を会場全体で共有した後、新たなコミュニティの中で「伝統芸能・祭り」をどのように活かすか、公営住宅を誰がどのように管理・運営することが有効か、といった議論がなされました。 また、次の一手を考えるためには、官・民での連携や他地域の民民間での交流など、違う背景や魅力を持った人と情報交換や議論をすることで多種多様なノウハウをつないでいくことが有効とのご発言がありました。
ステージ横のブースエリアでは、コミュニティの形成に取り組んでいる団体を中心に、民間団体・大学・自治体など様々な団体(20団体)が、取組を紹介するブース出展を行い、来場者間での情報交換が行われました。
出展者からは「同じ分野で活動されている団体の方と意見交換することで、今後の自団体の取組について具体的なアイデアが得られた」といった声や、「私たちの支援事業の活用可能性について他の出展者と意見交換ができた」という声が挙がりました。
その他、被災地での「新たな挑戦」や、復興庁・企業や支援団体による様々な取組などを紹介する約80枚のパネルの展示、会員団体による取組を映像で紹介する映像上映コーナーの設置など、来場者の方々には多種多様な復興支援の取組を知っていただく機会となりました。
ご協力、ご出展、ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。
先進事例や被災地での課題を「知る」
● ブース展示
● パネル展示
● 映像上映コーナー
「コミュニティ形成」について「考える」
●イントロ・セッション
●来場者との対話型セッション
●特別企画「郷土芸能・祭りを通じたコミュニティ形成」
多様な参加者と「つながる」
●交流タイム・懇親タイム
※プログラム・時間は予告なく変更になる可能性があります。
13:30-13:45 | オープニング |
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13:45-15:00 | イントロ・セッション「復興過程でコミュニティをどう作るか」 |
<登壇者> 小林郁雄 氏(人と防災未来センター 上級研究員) 阿部 巧 氏(公益社団法人中越防災安全推進機構ムラビト・デザインセンター センター長) < ファシリテーター(兼登壇者)> 本多史郎 氏(公益財団法人 トヨタ財団) |
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15:00-15:30 | 特別企画「郷土芸能・祭りを通じたコミュニティ形成」 |
<登壇者> 東梅 英夫 氏(臼澤鹿子踊り保存会 会長) 小岩 秀太郎 氏(公益社団法人全日本郷土芸能協会 事務局次長) |
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15:30-16:45 | 交流タイム |
・ブース出展者の皆さまを中心に、自由に交流いただけます ・イントロ・セッションの議論等を聞いて感じたことや意見等を当日配布する様式にご記入ください。 |
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16:45-18:00 | 来場者との対話型セッション |
<登壇者> 小林郁雄 氏(人と防災未来センター 上級研究員 阿部 巧 氏(公益社団法人中越防災安全推進機構ムラビト・デザインセンター センター長) 東梅 英夫 氏(臼澤鹿子踊り保存会 会長) 小岩 秀太郎 氏(公益社団法人全日本郷土芸能協会 事務局次長) <司会者> 本多史郎 氏(公益財団法人 トヨタ財団) ※その他、大船渡市、釜石市、亘理町、自治体版ハンズオン支援(久慈市・塩竃市・郡山市)も登壇して発表します。 |
ブース展示
出展団体:
岩手県大船渡市/釜石リージョナルコーディネーター協議会/美しい街住まい倶楽部/
カリタス釜石/日本栄養士会/日本カーシェアリング協会/りくカフェ
wiz/岩手県久慈市/SAVE TAKATA
●自治体・支援団体
岩手県/岩手県遠野市/岩手大学/岩手県立大学/いわて連携復興センター/
科学技術振興機構/全国コミュニティライフサポートセンター/日本政策金融公庫/
文化芸術による復興推進コンソーシアム and more...
パネル展示
被災地の復興の現状や復興庁の取組、東北の被災地で取り組まれている「新たな挑戦」、新たなビジネス、民間企業の復興支援活動など、様々な取組を紹介します。50団体以上の団体の取り組みをご紹介する予定です。
展示テーマ:
●被災地の「新たな挑戦」
●自治体・大学・民間企業等による支援活動
●被災地での新たなビジネス展開
●復興庁関係事業 / 「WORK FOR 東北」
映像上映コーナー
会員団体の取組を、映像でご紹介させていただきます。
岩手県/いわて連携復興センター/東北大学農学研究科/福島大学/東京芸術大学/仙台銀行/
株式会社大和リース/日本臨床研究支援ユニット/東北☆家族プロジェクト/独立行政法人都市再生機構/
エコEVカーシェアリング事業検討委員会/カムイの森有限会社