平成31年1月30日(水),31日(木)に、岩手県内各生産地(岩手県洋野町、野田村、久慈市、岩手町、八幡平市、花巻市)およびItalian dining AVAZ(岩手県盛岡市)にて、「首都圏シェフによる一次産業産地訪問ワークショップ」を開催しました。
東日本大震災後、まだまだ1次産業を取り巻く環境は厳しい状態が続いており、産地の現状を伝えたくても、なかなか伝えられない状況を打破するために、有限会社秀吉では、首都圏のシェフに産地を視察していただき、生産者と今後の取組についてディスカッションを行うことを目的とした産地訪問ワークショップを開催しました。
【首都圏シェフによる産地訪問と訪問先の生産者とワークショップ(1月30日(水))】
「三陸あわび茸」生産者の株式会社長根商店を訪問しました。「食感が本物のアワビのようで、アワビと間違えてしまう方もいるのではと思うくらいです。量販店よりもレストラン向けのキノコですね」と講師の二コラ シュヴロリエ氏が大絶賛されました。
次に、「のだ塩」の製造現場にて薪窯直煮製法を見学しました。「味は塩辛く無く、すっきりしていて肉に合うと思われます。ただし、千葉県野田市産の塩と間違われることが懸念されるので、名前も含めブランディングが必要だと思います。」とアドバイスを頂きました。
続いて、短角牛の生産地を訪問しました。赤身が多い牛なので「A2、B2」と規格上評価されてしまう為に、一般的な評価は低く見られてしまいますが、「だからこそ本物の赤身肉を作り続けて欲しい。その価値が分かる方にまずは届けて欲しい」とアドバイスを頂きました。その後、短角牛の製造・加工の現場を訪問しました。「一般的なレストランの冷蔵庫は小さいので、パーツごとに細かい部位にして届けて欲しい」と製造工程にも意見を頂きました。
【首都圏シェフによる産地訪問と訪問先の生産者とワークショップ(1月31日(木))】
翌日は、八幡平市の「寒締ほうれん草」を見学しました。糖度8度以上になることへの驚きと、「茎」の部分の甘みの多さに一同絶賛しました。この「茎」を活用して販路開拓をしていくと可能性も広がるのではないかとアドバイスを頂きました。次に、マッシュルームの製造現場を訪問しました。生産者から「軸」の部分の可能性を問われ「飲食店向けには軸を短く切らないで欲しい。軸には味もあり、ソースなどに使うので捨てないでほしい」とご要望をお話し頂きました。
レストランに人気の高い「装飾野菜」作りに徹している生産者の安藤氏には、「伸びきってしまったものや規格外のものは、練りものや加工に回せるので、そこを価値として商品化して欲しい」とアドバイスを頂きました。
ジャガイモ生産者の高橋氏には「既存の品種だけでなく、フランスや海外などの品種も取り入れた生産をすることで、北海道とは違うジャガイモブランドを作れるのではないでしょうか」とアドバイスを頂きました。
【都圏シェフと生産者とのワークショップ概要(1月31日(木))】
産地訪問に伺えなかった株式会社浅沼醤油店、株式会社ベアレン醸造所、株式会社毛利からのプレゼンテーションと、生産者と俺の株式会社の皆さんとのディスカッションを行い、ディスカッションの中で3月10日(日)にイベントを開催し、その後各店舗にて各生産者の食材が食べられるような取組をしていくことを検討しました。