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特集記事

みちのくみっけ Vol.6 気仙沼編 1日目

(掲載日:平成29年03月13日 )

(Vol.5 南相馬編はこちら)
 

取材で何度も東北を訪れている。
そう話すと、「偉いね」と言われることがよくあります。
「東北=ボランティアに行くところ/支援するところ」と思っている人が、それだけ多いということでしょう。
でも、私はその言葉に少し違和感を感じます。
だって、東北には美味しい海の幸も、心癒される風景もあります。
脈々と続いてきた地場産業もあれば、震災後に新しく始まったプロジェクトもあります。
そして、自分たちの手で町を再建しようと奮闘する人々の姿があります。
東北はいつも、私にたくさんの学びと刺激を与えてくれるのです。

旅の目的地としての東北の魅力を、もっとたくさんの人に知ってもらいたい。
そんな想いから、地域で暮らす若者と一緒に、「1泊2日観光モデルプラン」をつくることにしました。この連載では、実際にそのプランに沿って町を回って体験したこと、感じたことを綴ります。

新しい東北の光を発見する1泊2日の旅。第六回は、活気溢れる港町・気仙沼を訪問しました。


陸沿岸南部の交通や商業の拠点として栄えてきた宮城県気仙三陸沿岸南部の交通や商業の拠点として栄えてきた宮城県気仙沼市

<1日目>

東京から気仙沼へ

今回町を案内していただくのは、気仙沼のまちづくり会社「一般社団法人まるオフィス」で働く根岸えまさん。学生時代にボランティアで気仙沼を訪れ、2015年、大学卒業と同時に気仙沼へ移住してきた人です。現在は、気仙沼への移住を促進するための交流会や、地元の中高生が気仙沼の魅力を知るためのプログラムを企画運営しています。

根岸さんが暮らす唐桑町で根岸さんが暮らす唐桑町で
根岸さん まるオフィスのみんなで「ここは外せないよね」「こっちのほうがいいかも?」とわいわい話しながらプランを考えました。行き先として選んだのは、地元から愛されているお店や、0から物事を始めて頑張っている方々です。私たちが気仙沼に来たときに感じた「これから町が盛り上がっていく」ワクワク感を追体験してほしいなと思っています。

飛田 確かに、気仙沼は「元気で勢いのある町」という印象です。2日間、よろしくお願いします!
新幹線とJR大船渡線を乗り継ぎ、11時47分に気仙沼に到着。駅前で根岸さんと合流しました新幹線とJR大船渡線を乗り継ぎ、11時47分に気仙沼に到着。駅前で根岸さんと合流しました

「ばっぱの台所」で気仙沼の郷土料理をいただきます!

最初に向かったのは、気仙沼の水産加工会社「斉吉商店」の仮設店舗2階にある「ばっぱの台所」。“ばっぱ”とは気仙沼の方言でおばあちゃんのこと。ここは、斉吉商店の“ばっぱ”こと斉藤貞子さんの手料理を味わえる場所です。

斉吉商店社長の斉藤純夫さん、ばっぱの貞子さん斉吉商店社長の斉藤純夫さん、ばっぱの貞子さん
斉吉商店の創業は大正10年。食品小売業、気仙沼の港に立ち寄る船のお世話をする回船問屋業を経て、水産加工業をスタートしました。看板商品は、代々継ぎ足して使っている返したれと生姜で炊き上げたサンマの佃煮「金のさんま」。震災により全ての営業拠点が流されましたが、返したれは社員が工場から持ち出したおかげで無事だったそう。斉吉商店は「金のさんま」を主軸に会社を立て直しました。

金のさんま さんまの真ん中の一番柔らかで美味しい部分だけが入った「金のさんま」。復興庁の「究極のお土産」にも認定されています
仮設店舗での営業が再開したのは2012年4月、「ばっぱの台所」ができたのは2013年4月のこと。部屋中に美味しそうな匂いが立ちこめる中、貞子さんにお話を聴きました。

ばっぱの台所
飛田 「ばっぱの台所」はどういう経緯で始めたんですか?

貞子さん アパートの台所があまりにも狭いので、「狭い、狭い」と言っていたら、娘が「仮設店舗の2階が空いているから、そこに大きな台所をつくろう」と提案してくれたんです。せっかくなので、気仙沼の郷土料理をたくさんの方に食べていただこうと、予約制で営業することにしました。私たちが普段家で食べているものを、家で食べているように味わってもらいたいと思っています。
この日のメニューは土鍋ごはんにサンマのつみれが入った汁物、大根と油麩の煮物にサラダ、お刺身に斉吉商店の「金のさんま」。昼から盛りだくさん!この日のメニューは土鍋ごはんにサンマのつみれが入った汁物、大根と油麩の煮物にサラダ、お刺身に斉吉商店の「金のさんま」。昼から盛りだくさん!
飛田 まさに「ばっぱの台所」という名前そのものの場所なんですね。大人数向けに料理をつくることには慣れていたんですか?

貞子さん 廻船問屋時代から、気仙沼に立ち寄る船会社や船頭さんに食事をお出ししていたんです。震災後はボランティアの方々に「おなか空いていませんか」とおにぎりをつくって渡していました。
表面は張りがあり、中はふわふわ。食感が楽しい「かにしんじょう湯葉包み」表面は張りがあり、中はふわふわ。食感が楽しい「かにしんじょう湯葉包み」
飛田 おもてなしすることがお好きなんですね。

貞子さん いまは何でもコンビニで揃う便利な世の中ですが、できれば季節の食材を使って、家でごはんをつくることを楽しんでいただきたいなと思っています。

飛田 こうしておいしい家庭料理をいただくと、「うちでもつくってみよう」と思うものですよね。ちなみに、レシピを教えてもらうことって……?

貞子さん ええ。隠していることは何もありませんから、知っていることは何でもお教えしますよ。

飛田 わぁ〜! 色々聞きたい!
汁物や煮物は優しく深い味わいでした。聞くと、鰹節ではなく“サンマ節”で出汁を取っているそう。1階の店舗で売っていたので、さっそく購入しました。これで家でもばっぱの味を再現できる!汁物や煮物は優しく深い味わいでした。聞くと、鰹節ではなく“サンマ節”で出汁を取っているそう。1階の店舗で売っていたので、さっそく購入しました。これで家でもばっぱの味を再現できる!
「ばっぱの台所」は4人以上で予約可能。まるオフィスの加藤拓馬さん、加藤航也さんにも参加してもらいました「ばっぱの台所」は4人以上で予約可能。まるオフィスの加藤拓馬さん、加藤航也さんにも参加してもらいました
料理を食べ終わると、貞子さんの娘さんの斉藤和枝さんも挨拶に来てくれました。専務として斉吉商店の経営を切り盛りしている方です。

斉藤和枝さん斉藤和枝さん
飛田 ごちそうさまでした! 美味しくてお腹いっぱいです。食卓にどんどん料理が並んで、土鍋からごはんをよそって、貞子さんとおしゃべりしながら食べて……と、本当に貞子さんの家に遊びに来ているような気分になりますね。

和枝さん ありがとうございます!

飛田 でも、斉吉商店さんは震災で工場も店舗も商品も流されましたよね。同じような境遇で、諦めて廃業した会社も多かったと思います。斉吉さんが「再建しよう」と思えたのはどうしてだったんですか?

和枝さん 「辞めよう」なんて選択、1ミリも考えませんでした! あはは! だって、斉吉は私たちのものではありません。従業員みんなのものだし、私は前の代、その前の代、その前の代と、生涯をかけてやってきたものをいま預かっているだけです。リレーのようなものだから、次の人にバトンを渡さないと。ただ、身一つしかなかったので、「どっから手をつけたらいいのやー!」とは思いました(笑)
工場
飛田 震災前と後とでは、仕事の仕方は変わりましたか?

和枝さん そうですね、震災前は機械で大量に生産していたけど、いまは気仙沼に揚がる魚の中でも高品質のものを、手作業で加工するようになりました。なぜかというと、第一に、工場が流されちゃったから機械を置く場所がない。次に、従業員の仕事をつくらないといけない。手作業にすれば、みんなが手を動かさないといけないから仕事が増えるでしょう。

そして第三、これが一番大事なんだけど、一度全部が0になって、「私たちが本当にやりたかったことって何だろう?」って考えたんです。気仙沼に揚がる魚はね、ものすごく素晴らしい。それなのに全然知れ渡ってない。私たちが自信を持っておすすめできる本物の素材を世に出したい。そう思いました。

機械でつくっているときはね、正直妥協点を見つけながらつくってた。生産効率やコストとか考えるとこれくらいかな、と。でも、あんな津波を経験するとね、ただお金が入ってくればいいとか、そんなことを考えてる場合じゃなくなるの。明日は生きてないかもしれないんだから。

手作業にしたら商売のボリュームは小さくなります。でも、最高の材料を最高の形で出すことを選ぼうって思いました。
見た目も美しい「金のさんま」。タレが染みたごはんがまた美味しくて、箸が止まりません見た目も美しい「金のさんま」。タレが染みたごはんがまた美味しくて、箸が止まりません
飛田 今後挑戦したいことや、展望はありますか?

和枝さん 展望だらけ! やりたいことがいっぱいあるの。ばっぱの台所もね、本当はもっと勉強したいんですよ。先日、札幌のモリエールというミシュラン三ツ星レストランに行ったんだけど、本当に素晴らしくて。でも私だけ行ってもしょうがないじゃない、従業員を連れて行ってみんなで勉強できるようになりたいの。ただ郷土料理を出しているだけじゃ、日本中、世界中から人は来ないでしょう。世界に通用するものになるよう磨かないと。

気仙沼にはトップクラスの素材があって、それを活かすも殺すも、ここに住んでいる私たち次第。だからもっともっと勉強したいし、そのためにはいっぱい稼がないとね! あはは!
明るく笑いながら展望を語ってくれた和枝さん
明るく笑いながら展望を語ってくれた和枝さん。金のさんまにも、美味しい郷土料理にも充分満足でしたが、もっと上を見据え、世界で勝負しようとしているとは! その熱意とエネルギーに、早くも気仙沼の勢いを感じました。


帰り際、和枝さんたちはミニ大漁旗で見送ってくれました帰り際、和枝さんたちはミニ大漁旗で見送ってくれました

『OCEAN BLUE』で藍染め製品

昭和8年竣工の建物。元々は味噌・醤油の醸造元でした昭和8年竣工の建物。元々は味噌・醤油の醸造元でした
交差点の一角に佇む、趣ある古い洋館。ここは、震災後に気仙沼へ移住してきた藤村さやかさんがママ仲間数人と立ち上げた「藍工房OCEAN BLUE」のアトリエです。天然染料にこだわりデザイン性の高い商品をつくることで、着実にファンを増やしています。

OCEAN BLUE代表の藤村さやかさん。「子育て中の女性が働ける場をつくろう」と藍染めを始めましたOCEAN BLUE代表の藤村さやかさん。「子育て中の女性が働ける場をつくろう」と藍染めを始めました。現在は子育てママに限らず、様々なライフステージにある女性が無理なく働ける雇用形態を採用しています
ストールにTシャツ、前掛けにスタイと、さまざまな製品を製作していますストールにTシャツ、前掛けにスタイと、さまざまな製品を製作しています


現在、藤村さんたちは気仙沼でしか出せない藍色・“気仙沼ブルー”を生み出そうと、寒冷地で育つ「ウォード藍」の栽培に挑戦しています。かつてヨーロッパでは、藍染めといえばウォード藍という時代がありましたが、手間がかからずきれいな発色をするインド藍の出現によって栽培されなくなり、一時は世界的に手法が断絶されたそう。

希少性のある原料を自家栽培することで商品の付加価値を高め、世界レベルのクオリティを生み出せるようになること。それがOCEAN BLUEの目標だといいます。藤村さんも和枝さんと同じように、世界で勝負しようとしているのですね。

藍染め体験で製作できるハンカチ藍染め体験で製作できるハンカチ
工房は店舗ではないためふらりと立ち寄ることはできませんが、事前に予約すれば藍染め体験ができるとのこと。体験後、商品を購入することも可能です。興味のある方はぜひ問い合わせてみてくださいね。

「aqua labo kesennuma」でサメの歯のキーホルダーづくり

次に、気仙沼駅前にあるハンドメイドアクセサリーのお店「aqua labo kesennuma」を訪問しました。店主の菅原理香さんは気仙沼生まれ気仙沼育ち。震災後、津波の被害を免れた菅原さんは、物資の支援拠点を個人で運営していました。支援をしてくれた全国の方々に、気仙沼らしいお礼の品を贈りたい。そんな想いから、気仙沼の海をイメージした製品を製作するようになったといいます。

店主の菅原理香さん

店内には、ビン玉をイメージしたキーホルダーやスナップという漁具を使ったバッグチャームといった、手づくりの小物が並んでいました。

手づくりの小物

ここでは数種類のワークショップに参加することができます。今回はその中から、サメの歯を樹脂で閉じ込めたオリジナルキーホルダーづくりを体験させてもらうことにしました。実は、気仙沼はサメの水揚げ日本一を誇る町。旅のお土産にぴったりです。

金枠にレジン液を入れて固め、好きな色のシェルビーズをまぶします 金枠にレジン液を入れて固め、好きな色のシェルフレークをまぶします
左がメジロザメの歯、右がモウカザメの歯。たくさんある歯の中から、好きなものを2つ選びます。ちなみに菅原さんの実家は魚屋さん。サメの歯はお兄さんが市場で顎ごと仕入れてきてくれるそう 左がメジロザメの歯、右がモウカザメの歯。たくさんある歯の中から、好きなものを2つ選びます。ちなみに菅原さんの実家は魚屋さん。サメの歯はお兄さんが市場で顎ごと仕入れてきてくれるそう
レジン液を入れ、紫外線を浴びせて固めることを繰り返します。菅原さんは作業しながら、気仙沼やサメにまつわる豆知識を教えてくれましたレジン液を入れ、紫外線を浴びせて固めることを繰り返します。

菅原さんは作業しながら、気仙沼やサメにまつわる豆知識を教えてくれました菅原さんは作業しながら、気仙沼やサメにまつわる豆知識を教えてくれました

「気仙沼」の文字を入れて好きなチャームをつけたら完成!「気仙沼」の文字を入れて好きなチャームをつけたら完成!
飛田 わぁ〜、可愛いのができた! お土産を自分の手でつくるっていいですね。

菅原さん サメの歯をレジンで固めたアクセサリーがつくれるところはほかにないと思います。ぜひ自分が気に入る作品をつくってもらえたら。そして、帰ってからもキーホルダーを見て、気仙沼を思い出してもらえると嬉しいです。
テンション高く撮影に応じてくれた根岸さん・菅原さんテンション高く撮影に応じてくれた根岸さん・菅原さん

「唐桑御殿つなかん」で女将と語らう

気仙沼の中心部を満喫した後は、2006年に気仙沼市と統合した唐桑半島へ。この辺りは津波の被害がひどく、家の土台だけが残った土地が目立ちます。そうした中、どっしりと佇む豪壮な建物が目に飛び込んできました。本日の宿、「唐桑御殿つなかん」です。

唐桑御殿

唐桑御殿の特徴は、社寺形式の入母屋造り。遠洋マグロ船で稼いだ漁師たちが競い合うように建てたそう。中も立派な造りをしていました。

中も立派な造り

夕飯の時間までは少し時間があったので、近くの集会所で行われている「唐桑浜甚句」の練習に連れて行ってもらいました。練習は月1〜2回あり、根岸さんは移住者仲間と毎回参加しているそう。

「唐桑浜甚句」の練習

♪ハァー、目出田サクリにかも鹿下げて かかる鰹は皆黄金 ハァヨイヨイヨイトナ♪

男性の歌声に合わせ、女性たちが舞い踊ります。見よう見まねで一緒に踊ってみましたが、曲は数曲あり、それぞれ振り付けが違うので中々覚えられません。根岸さんは全部の曲を綺麗に踊っていて、何度も練習を重ねたことが窺えました。お母さんたちも「えまちゃん、ここはもっと手をしなやかに」「こうするといいよ」と熱心にアドバイスしています。次世代の担い手として期待されているようですね。

見よう見まねで一緒に踊ってみました

休憩時間になると、元漁師のお父さんたちが「浜甚句というのは大漁唄のひとつで、漁師が陸で宴会をするときの唄なんだよ」「昔も津波が来たり戦争があったりと大変だったはずだけど、歌詞には一言も書いてない。昔の人は根性があったし前を向いてたんだ」と熱く解説してくれました。

地元の方が代々受け継いできた文化や風習を教えてもらうと、その地域にちょっとだけ仲間入りできた気がして嬉しいものですね。

夕食

一時間ほど踊ってつなかんに帰ると、夕食の準備ができていました。お刺身、タコ・ワカメ・なめこのしゃぶしゃぶ、カキフライ、牡蠣とトマトの炒め物、ホタテのクラムチャウダーと、なんとも豪華なメニュー!

お刺身
ホタテのクラムチャウダー
コ・ワカメ・なめこのしゃぶしゃぶ

つなかん女将の菅野一代さんと、一代さんの嫁友達でつなかんのお手伝いをしているふみさんもテーブルについてくれて、わいわい話しながらの夕食です。

左が一代さん、右がふみさん左が一代さん、右がふみさん
飛田 一代さんの旦那さんは牡蠣・ホタテの養殖をしているんですよね。震災のときは、どの程度の被害を受けたんですか?

一代さん 何にもなくなっちゃった。筏も、3つ持っていた工場も、共同の牡蠣処理場も。船は一艘だけ残ったけど、それだけ。仲間は半分くらい辞めたんじゃないかな。でも、うちの夫はそのとき54でね、引退するには早いし、かといって就職先探すのもね。漁師ってさ、人に使われるのが嫌なのよ。だからもう一回やることにしたの。
身がぎゅっと詰まった大きなカキフライは、一代さんの旦那さんが育てたもの身がぎゅっと詰まった大きなカキフライは、一代さんの旦那さんが育てたもの
飛田 民宿はどんな経緯で始めたんですか?

一代さん ここは自宅だったんだけど、津波で全壊してね。辛うじて屋根と柱が残ったような状態だった。最初は取り壊すつもりだったんだけど、学生ボランティアさんたちに「屋根さえあればいいから使わせてほしい」と言われて、貸し出すことになったの。窓のところにブルーシート貼って、流れ着いたお茶屋さんのショーケースをテーブル替わりにして。そんな状況でも、入れ替わり立ち替わり人が来て、帰るときには「また来たい」って言ってくれるのよ。だから、みんなが戻ってこられるように、民宿を始めたの。

飛田 最近はどんなお客さんが来るんですか?

一代さん いまはね、全世界から来てくれるの。りょうすけが英語できるから通訳してもらうんだけど、お客さんの生い立ちとか仕事の話とか聞くのは楽しいね。
つなかんの料理長、りょうすけさんつなかんの料理長、りょうすけさん
飛田 いつもこんな風にごはんを食べながらおしゃべりしてくれるんですか?

一代さん 話好きだから! 普段はね、お客さんと一緒に飲んじゃう。飲みながら色々お喋りするの。

ふみさん 民宿というより民泊に近いかも。一代さんちに泊まりにきたというつもりで寛いでほしいな。

一代さん そうそう、うちは「お客様は神様です」じゃなくて、「お客様は家族です」だから。「家族ぐるみのおつきあいをしましょう」っていう姿勢なの。私たちね、社長さんだろうが会長さんだろうが気にしないの。話聞いててひっかかることがあったら正直に「えー! それはだめだよねー!」とか言っちゃうし、愚痴だってこぼすし、甘えちゃうし(笑)あってはならない女将だよね。

ふみさん でも、一代さんがこうだから、企業戦士として毎日戦っているお偉いさんも鎧を下ろせるんだよね。素でいられる場所として気に入ってもらえるの。
ふみさん
飛田 おふたりはすごく仲が良さそうですが、親戚同士だったりするんですか?

ふみさん ううん、ただの近所の嫁友。つなかんの真後ろに一代さんちの母屋があって、その隣が私の家なの。

一代さん 何でも言える友達ってさ、大事だよね、心の支えになるもん。だからね、お客さんにとってのそういう人になりたいんだ。ここに来ると何でも話せるな、楽になったな、と思ってもらいたい。とれたての牡蠣とホタテとワカメでりょうすけが美味しいごはんをつくって、ふみちゃんと私でおもてなししてね。
「からくわ丸」のミーティング
私が一代さんやふみさんとお話している隣では、根岸さんが参加している「からくわ丸」のミーティングが開かれていました。からくわ丸は、地元の若者と移住してきた若者が一緒になって気仙沼のこれからを考えるまちづくりサークル。地域の子どもたちと野菜づくりをしたり、ラジオ、情報誌で気仙沼の魅力を発信したりしているそう。

「からくわ丸」のミーティング
みなさん気さくに話しかけてくれて、楽しく活動していることが伝わってきました。地方は若者も、若者が喜ぶような娯楽も少ないと言われますが、こういうサークルがあると移住後も充実した日々を送れそう。そんなことを思いながらミーティングの様子を眺めているうちに、気仙沼の夜は更けていきました。

< 気仙沼1泊2日観光モデルプラン >

1日目

7:56東京駅発(はやぶさ101号)/一ノ関駅でJR大船渡線に乗り換え
11:47気仙沼駅着、レンタカーを借りる
12:15斉吉商店「ばっぱの台所」でばっぱの手料理をいただく
住所:気仙沼市本郷6-11 斉吉商店2階
電話:0226-22-0669
*1人2,000円(4人以上で予約可/2日前までに連絡)
http://www.saikichi-pro.jp/bappa
13:30OCEAN BLUEで藍染め体験
住所:気仙沼市新町2−1
電話:080-6253-8161
*参加費3,000円(一週間前までに要予約)
http://k-oceanblue.com/
15:30aqua labo kesennumaでサメの歯のキーホルダーづくり
住所:気仙沼市古町1-19-18-101
*参加費1,800円
http://www.aqua-labo-kesennuma.com
17:00唐桑御殿つなかんにチェックイン/女将と一緒に夜ごはん
住所:気仙沼市唐桑町鮪立81
*宿泊費8,000円
http://moriyasuisan.com
 
※2017年2月時点の情報です。訪問する際は、現住所・定休日・営業時間をご確認ください。

3月23日に気仙沼市で発生した漁船転覆事故により、「みちのくみっけ Vol.6 気仙沼編」 に掲載させていただいた「唐桑御殿つなかん」の社長菅野和享様と従業員1名の方が行方不明になり、従業員1名の方がお亡くなりになりました。ここに慎んで哀悼の意を表しますとともに、行方不明になられている方々の一刻も早い救助を心よりお祈り申し上げます。

また、「唐桑御殿つなかん」の営業は当分見合わせとなり、今後については、同社のホームページで告知をされるとのことです。
http://moriyasuisan.com/

(2日目へ続く)
●写真・文
 飛田恵美子(ひだ・えみこ)
飛田恵美子
フリーランスライター。「ソーシャルデザイン」「コミュニティ」「新しい働き方」といった分野で記事を書いています。牡鹿半島でOCICAというアクセサリーを製作する「一般社団法人つむぎや」と一緒に、東北の復興ものづくりを紹介するウェブマガジン「東北マニュファクチュール・ストーリー」を運営。これまでに70以上の団体を紹介してきました。
cotohogu.com

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 飛田恵美子(ひだ・えみこ)
飛田恵美子
フリーランスライター。「ソーシャルデザイン」「コミュニティ」「新しい働き方」といった分野で記事を書いています。牡鹿半島でOCICAというアクセサリーを製作する「一般社団法人つむぎや」と一緒に、東北の復興ものづくりを紹介するウェブマガジン「東北マニュファクチュール・ストーリー」を運営。これまでに70以上の団体を紹介してきました。
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